SNKの人気キャラが集結するゲームの広告にて、テリーがセクハラ行為をはたらく。米国SNKは広告を削除させファンに謝罪

SNKは10月28日、海外向けの公式Twitterアカウントを通じて、“不快な広告”を掲載してしまったとしてファンに謝罪した。テリーがセクハラ行為をはたらいたようだ。

SNKは10月28日、海外向けの公式Twitterアカウントを通じて、“不快な広告”を掲載してしまったとしてファンに謝罪した。投稿では、具体的にどの広告を指しているのか触れていなかったが、数時間後にはモバイル向け格闘RPG『SNK オールスター』の公式Facebookページにも同様の謝罪文が掲載された。

https://twitter.com/FGC_Daily/status/1321171915298369536

SNKがファンに向けた謝罪を投稿する約12時間前、あるTwitterユーザーが「これは一体何なんだ?」とコメントをつけて1本の映像を投稿した。映像では、SNK作品に登場する女性キャラクターの不知火舞とブルー・マリー、クーラ・ダイアモンドが屋台で談笑している。そこに、同じくSNKの人気キャラクターであるテリー・ボガードがバイクにまたがり登場。3人の姿に気づいたテリーは、すれ違いざまに彼女らのお尻をタッチして去っていく。そして最後に、『SNK オールスター』の広告であることが判明するという内容だ。

この映像は、『SNK オールスター』の公式Facebookページに掲載されていたものだという(現在は削除済み)。そして、このテリーのセクハラ行為を強調した広告に対して、批判的な意見が数多く寄せられることとなった。近年は、いわゆるMeToo運動などもあり、セクハラを含むハラスメント行為に対しては特に厳しい目が向けられている。これはゲーム業界でも同様であり、これまでにはいくつもの告発および加害者の辞職が報じられてきた。

SNKと縁深い格闘ゲーム業界に限っても、世界最大の格闘ゲーム大会EVOの創始者Joey Cuellar氏がセクハラの告発を受けたのち職を追われ、出展メーカーの撤退が相次ぎ「EVO Online 2020」が開催中止となったことは記憶に新しい。このような状況において、なぜこんな広告を掲載できるのかと呆れる意見が多く寄せられたのだ。また、「テリーはこんなことをするキャラクターじゃない」「舞は義弟アンディの彼女だろ」「クーラって14歳だったのでは」といった指摘も見られる。


こうした批判の声を受けて、SNKは上のツイートを投稿したわけだ。同社はこの広告の制作には一切関わっておらず、内容について事前に知らされることもなかったとしている。そして広告の存在に気づいたのち、同社の倫理基準に照らしてふさわしくないと判断し、すぐに広告を取り下げるようライセンスを供与したパートナーに要請したとのこと。同社は、このような不快な広告が掲載に至ってしまったことについてファンに謝罪。今後は改善するようパートナーと共に取り組むとした。

また、『SNK オールスター』の公式Facebookページにも同様の内容が投稿された。こちらでは、提携する広告代理店のひとつが制作した映像だったとし、さらに制作から掲載に至るまで監督をおこなっていなかったとも釈明。その広告代理店との提携は即座に解消したとのこと。なお、同作は37GAMESによって運営されており、こちらのコメントはSNKによるものなのかどうかははっきりしない。

#SNKAllstar Dear Fighters! ? We have noticed a discomforting advertisement of SNK Allstar created by one of our…

SNK Allstarさんの投稿 2020年10月28日水曜日


問題の広告映像は、広告代理店が勝手に制作・掲載したものだという。映像の後半では、バイクに乗ったテリーは脇見運転の結果転倒し、怒った女性キャラ3人による仕返しを示唆したところで終わる。前半のセクハラ行為の帳尻を合わせる構成にする意図があったのだろうと推測はできる。

ただ、『SNK オールスター』に登場するのはSNKの人気キャラクターたちだ。作中では、たとえばテリーはマリーと友人であったりと親しい仲ではあるが、映像での行為は時代錯誤的なセクハラであることには変わらないうえ、この広告はそうした設定を知るファン以外が目にする可能性も十分にあった。先述したように、同作はSNKがライセンスを提供しパートナーが制作した作品であり、今回の一件においてSNKは被害者ともいえるが、自社IPのイメージを著しく毀損しかねない事態となった。今後は積極的に監修をおこなうなど、自らのコンテンツを守る取り組みが求められるかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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