『Apex Legends』にてストリーマーがチーターを通報するも、運営との癒着が疑われ公式が説明する事態に発展。公正さを保つことの難しさ
『Apex Legends』にて、あるひとりのユーザーがBANを受けたことが大きな騒動となってしまったようだ。Respawn Entertainmentが公式Twitterにて声明を出す事態となっている。
ストリーマーLuLuLuvely氏はある日、仲間とともに『Apex Legends』をプレイしていた。同氏はプロeスポーツチームNRGにてコンテンツクリエイターを務める人物でもある。彼女は試合中、チーターと見られるジブラルタルに遭遇。LuLuLuvely氏は規約違反の通報として証拠動画を撮り、Respawn Entertainmentにてセキュリティ担当を務めるHideoutsことConor Ford氏に映像を送付したという。間もなく対象のユーザーにBAN処分が下されたが、その際チーターのジブラルタルに同行していたブラッドハウンドもアカウント停止処分を受けていた。
すると10月22日、海外掲示板Redditにて該当のブラッドハウンドだと名乗るユーザー、KongoBoom氏が出現。このユーザーは、LuLuLuvely氏がチーターのジブラルタルと誤ってKongoBoom氏の「ユーザー名を通報した」と主張し(映像を送付したとするLuLuLuvely氏の主張とは食い違う)、身の潔白を訴えた。またKongoBoom氏は、LuLuLuvely氏が著名なストリーマーであるがゆえにFord氏が精査をおこなわずアカウント停止処分を下したと怒り。ユーザーの扱いが公平でないとして、運営およびLuLuLuvely氏を批判する文面を投稿した。
この投稿は2万9000件以上のupvoteを得る大反響となり、コミュニティの熱はヒートアップしていく。LuLuLuvely氏と運営の癒着を疑うユーザーも出現し、運営を糾弾する動きが強まった。こうした中、騒ぎを知ったLuLuLuvely氏は、KongoBoom氏に対しTwitterを通じて謝罪。これに対しKongoBoom氏も和解の意向を示すリプライを送っていたことが伝えられている(該当アカウントはすでに削除)。しかし一部ユーザーの怒りは収まらず、LuLuLuvely氏やセキュリティのFord氏に対する脅迫まがいのリプライが殺到する事態となった。
ムードが一転したのは日本時間で10月23日未明。『Apex Legends』公式Twitterアカウントにて、「本日のRedditにおけるBANされたブラッドハウンドプレイヤーのスレッドにつきまして」との声明が投稿された。発表によれば、運営はブラッドハウンド(=KongoBoom氏)のアカウントを調査済み。同ユーザーはチーターであるジブラルタルと行動を共にしていたほか、「すでにBANされた複数のアカウントを所持している」「BANを回避しようとした経歴がある」などの事実が確認されたという。これらの証拠をもって、『Apex Legends』側はKongoBoom氏のBANを解除する予定がないことを宣言した。
しかし、公式Twitterによる声明が出されたのちも一部ユーザーによる過熱は収まらず、ツイートには不信感をあらわにするリプライが多数連なっている。LuLuLuvely氏は一連のハラスメントを送ってきたネットユーザーに強い不快感を示しつつも、1日ぶん休息を挟んだのちストリーミングを再開する意向を示した。同様に苛烈な糾弾にさらされたFord氏は、BAN処分の前にはかならずアカウントを精査していることを強調。同時に、支援の側に立ったユーザーらに対して感謝の意を示すツイートを投稿している。
チーターとBANにまつわるトピックは、きわめてユーザー感情を刺激する問題だ。中でも今回の一件は、公式アカウントが声明を出すまで事態がヒートアップした異例の事態といえるだろう。なおKongoBoom氏については10月23日午前10時半ごろ、Redditにて一連の流れを揶揄するスレッドに対し「彼らがそれを認めると思うか?(運営が誤BANを認めると思うか?)」とのレスを返し消息を絶っている。