『マインクラフト』Java版ユーザー、2021年よりMicrosoft アカウントの移行が必須に。旧アカウントの停止も公表され、不安広がる
Mojangは10月22日、『マインクラフト』Javaエディションにおいて、Microsoft アカウントが必須になることを発表した。同作ではMojangアカウントが用意されているが、このアカウントをMicrosoftアカウントに移行することが求められる。移行は必須(mandatory)だとし、移動しなければ数か月後にはログインできなくなり、ゲームを遊べなくなるとも告知された。対象となるのは、Javaエディションのみである。
移行の理由としては、セキュリティの強化があげられている。現行のアカウントでは、アカウントプロテクションにおいて重要視されている二段階認証が不可能。しかし、その状態ではセキュリティに懸念が残る。それゆえに、二段階認証が可能であり、よりセキュリティとして堅牢なMicrosoftアカウントへの移行が決断されたようだ。
移行のメリットとしては、セキュリティが強化されるほか、『マインクラフト ダンジョンズ』など『マインクラフト』フランチャイズ作品をひとつのアカウントでつなげられることをあげている。作品間の進捗に応じたリワードなども用意しやすくなるだろう。そのほか、チャット・招待のブロッキングや、より優れたペアレンタルコントロール機能により、子どもに安心して遊ばせられるとも語っている。また移行の手続きをしたユーザー向けの特典として、特別なケープが贈られるとのこと。
流れとしては、Mojangアカウントにて登録されたメールアドレスにて、移行の案内メールが順番に送られていくという。またMinecraft.netのプロフィールページやランチャーでも、移行が必要であることが知らされるそうだ。そうしたガイダンスに従うことで、手軽に移行が完了できるとのこと。もちろん、現在のデータが失われることもない。また今後『マインクラフト』Javaエディションをプレイする新規ユーザーは、MojangアカウントではなくMicrosoftアカウントを作成することになるという。
昨今では、アカウントハックなどの被害を防ぐため、SMSを用いてプロテクションする二段階認証の導入を急ぐ企業が増えている。『マインクラフト』においても、この方法が採用されたわけだ。一方で、別アカウントの紐付けというのは懸念されがちな問題でもある。たとえば、Oculus Quest 2ではFacebookアカウントの紐付けが必須になり、Facebookによる誤BANが多発していることで、「新たに導入されたアカウント紐付けにより製品利用ができなくなる」という現象が発生している。
そのほか、Redditでは古参ユーザーたちの不安がる声が多数確認できる。彼らは古いメールアドレスで現行の『マインクラフト』Javaエディションを遊んでいるがゆえに、そうしたアドレスを介しての移行が困難になるのではないかと嘆いている 。リカバリー手段は用意されているものの、休眠状態のアカウントの持ち主や旧メールアドレス使用者としては、期間内に移行のプロセスを終わらせなければ、プレイ不可になるという問題を抱えている。告知ページ冒頭にある「移行しなければ旧アカウントは数か月以内に停止され、停止されることでゲームがプレイ不可になる」という文言は、それほどパワーがあったのだろう。
移行案内は今後順番に送られていくとのことなので、ひとまずそのメールを確認することになるだろう。セキュリティ保護は極めて重要であるが、アカウント移行においてつまずくユーザーが出てくることは確実。マイクロソフトとMojangが、どれほどそうしたユーザーをサポートできるかが重要になりそうだ。アカウントの移行は2021年初頭より開始される予定だという。