名ホラーゲームシリーズ新作『Amnesia: Rebirth』発売。砂漠の地にて、暗闇がもたらす恐怖体験再び

名ホラーゲームシリーズ新作『Amnesia: Rebirth』発売。砂漠の地にて、暗闇がもたらす恐怖体験再び。

スウェーデンのゲームスタジオFrictional Gamesは10月20日、『Amnesia: Rebirth』を発売した。対応プラットフォームはPC(SteamOS + Linuxも対応)および海外PS4。Steamでは3090円、Epic Gamesストアでは3080円、GOG.comでは29.99ドルで販売されている。日本語には対応していない。

『Amnesia: Rebirth』は、一人称視点ホラーアドベンチャーゲームのシリーズ最新作。人気の高い1作目『Amnesia: The Dark Descent』と同じFrictional Gamesが手がけているということで、注目を集めていた。


1937年、鉱山調査隊の一員としてアルジェリアを訪れていた主人公タシュ・トリアノンは、飛行機での移動中、墜落事故に巻き込まれる。目を覚ますと、そこはアルジェリアの砂漠の奥深くであった。どうやら目を覚ましたのは墜落直後というわけではなく、墜落してから一定期間の記憶を失っている。飛行機に乗っていた他の隊員とともに、何かしらの行動を取っていた記憶がかすかに残っているものの、墜落後に自分が何をしたのか、同行していた恋人や仲間がどこに消えたのか、さっぱりわからない状態。しかもタシュはときおり、何かにとらわれたように苦しむ仕草を見せる。一体砂漠の地で何が起きたのか。マッチやランタンを頼りに暗い遺跡や廃墟を探索しながら、謎に迫っていく。

タシュはこの調査プロジェクトに参加する前、何かしら心的な負担のかかる出来事に遭遇しており、医師から薬を処方されていることが、ゲーム序盤に明かされる。怒りや恐れといった感情を避け、冷静を保たなければ症状が悪化するとも。その説明どおり、本作では闇の中にいる時間が長かったり、何か恐ろしいものを目にしたりすると恐怖に陥り症状が悪化していく。道中では得体の知れないクリーチャーに遭遇することも。かといってマッチの本数やランタンの燃料も限られており、リソースを管理しながら各所でパズルを解き、慎重に歩みを進めていくこととなる。そして探索を続け、隊員たちがいた痕跡を見つけることで、少しずつ墜落後の記憶の断片が蘇っていく。

またタシュは、いつの間にか身につけていたコンパス状のアミュレットによって、異次元のような世界へとつながるポータルを開くことができる。異次元空間や、タシュの身体に起きている異変など、謎が謎を呼ぶ。左右へのリーン移動により物陰から様子をうかがったり、物を投げて注意をそらしたりといったステルス系のアクションのほか、「Check Belly」という、とある事情によりお腹をさすって話しかける動作がある点も、本作の題材に関わってくる特徴的な要素である。

2010年に発売された1作目『Amnesia: The Dark Descent』は、一人称視点ホラーの金字塔とも言える作品。リリース以降、さまざまな作品が影響を受けてきた。攻撃手段が与えられない中、記憶喪失の主人公がランタンとロウソクの火を頼りに暗い古城の中を探索。明るい場所に出ると敵に見つかるが、暗闇の中にずっといると主人公の正気度が減り発狂してしまうという、息の詰まるような恐怖体験が高評価を集めた。

そんな1作目の精神を継ぎつつ、『SOMA』の開発など過去10年間で培ったノウハウも詰められた『Amnesia: Rebirth』。PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)および海外PS4向けに販売中だ。日本語には対応していない。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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