今年8月にPC向けに発売されたマイクロソフトのフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』。本作では、同社のBing Mapsが持つ衛星写真やマップデータ、また提携企業の技術などを組み合わせて地球上の環境をゲーム内に再現している。
ただ、自動生成されるランドマークなどの中には、リアルとは言い難いものも多い。そこで本作を楽しむModderたちは、Googleマップの3Dデータを移植して再現性を高める試みをおこなっているようだ。海外メディアPC Gamerなどが報じている。
上の画像は、オーストラリア・メルボルンにあるクリケット用競技場Melbourne Cricket Groundを、『Microsoft Flight Simulator』にて上空から見たスクリーンショットだ。左の画像が本作のオリジナルで、右がGoogleマップの3Dデータを使ったもの。違いは一目瞭然だろう。オリジナルでは、円形の競技場を真上から見た形状と高さのみを反映し、巨大なビルとして生成されてしまっているが、Googleマップ版では競技場としてリアルに再現されている。
また、以下の映像はイギリス・バーミンガムの飛行映像で、上がオリジナル、下がGoogleマップ版だ。オリジナルも密度の高い光景が広がっているが、エリアによっては建物が一様であったりどこかのっぺりして見える。一方のGoogleマップ版はというと、よりディテールが細かく、地元のランドマークらしき建造物もしっかり再現されていることが見てとれる。
本作のRedditコミュニティでは、Googleマップ/Google Earthからマップの3Dデータを取得するツールを開発し配布するユーザーや、それを本作に導入するための方法を共有するModderたちの活動が見られる。また、3Dデータを本作に導入して撮影した、世界各地の映像や画像の共有もおこなわれている。
『Microsoft Flight Simulator』においては、今年9月に配信された「World Update I: Japan」のような形で、エリアごとにさらなるディテールを追加するアップデートが定期的に配信される計画となっており、またBing Maps側のデータ更新などによっても環境の再現性が高められていく。ただ、そうしたアップデートを待てないファンが、マイクロソフトのいわばライバルであるGoogleマップのデータを活用している状況だ。Googleマップのマイマップ機能を使って各地の成果も共有されている。ただ、このように3Dモデルを抽出して再構成することは、Googleの規約に違反する可能性があるため注意したい。
【UPDATE 2020/10/21 16:25】
規約違反である可能性について追記