ほぼ盲目のモンスターvs人間の非対称マルチホラー『In Silence』Steam早期アクセス配信開始。聴覚情報が鍵を握る

ほぼ盲目のモンスターvs人間の非対称マルチホラー『In Silence』Steam早期アクセス配信開始。聴覚情報が鍵を握る。

トルコのゲームスタジオRavenhood Gamesは10月17日、『In Silence』のSteam早期アクセス配信を開始した。通常価格は1010円で、10月24日までのプロモーション期間中は20%オフの808円で購入できる。機械的な翻訳ではあるが、日本語にも対応。

同作はモンスター1体と人間2~6体の2チームに分かれて戦う一人称視点の非対称マルチプレイホラーゲーム。モンスター側は人間を狩ること、人間側はモンスターから逃げてエリアを脱出する、もしくは果敢に挑みモンスターを退治することが目標となる。同ジャンルにて良く見られる組み合わせであるが、本作ではモンスター側がほぼ盲目であり、聴覚情報を頼りに狩りを進める点が特徴的である。


モンスター側のプレイヤーは、「Rake」という名のモンスターを操作し、研ぎ澄まされた聴覚を活かして生存者たちを狩り倒していく。Rakeは凄まじい身体能力を誇るものの、目がほとんど見えないという、狩りをおこなう上での欠点を持つ。ただ本当に画面が真っ暗な状態で遊ぶとなると、かなりのストレスがかかる。そこで本作のゲームプレイ上は、人間側が音を立てれば立てるほどRakeの視界が明瞭になるという形で音の視覚化を表現。赤味がかかった暗い画面が、ノイズレベルにあわせて徐々に明るくなっていく。また音の発信源が画面中央のレーダーにて示されるため、音声の距離・方角まで読み取れる。

人間側のチームには、脱出用車両を修理するか、Rakeを倒すかという、2つの選択肢が与えられている。ただ、探索中に音の出るぬいぐるみを踏んだり、壺を割ったりと、物音を立てるとRakeに居場所がバレてしまう。一方、物音に敏感というRakeの特徴を逆手に取り、わざと音を立てるという作戦も。テレビやラジオをわざとつけておいて、注意をそらしているうちに車両修理用パーツを見つけるのだ。あるいは、トラップを仕掛けてRakeを待ち伏せすることも可能。マップにある隠し武器庫から銃器を見つけ、逆にRakeをハントするのである。


各プレイヤーの役割やパーク(Perk)、アイテムや脱出地点の位置はマッチごとにランダム。毎回違った体験が待っている。脱出用車両を見つけたら、修理が必要な部品のリストを確認。マップを探索して、不足パーツを見つけ出す必要がある。画面下部に懐中電灯のバッテリー残量とノイズレベルが表示されるので、そちらに注意しながら真夜中の森をさまよい、パーツ探し。インベントリーは2スロットしかないので、何を持ち歩くのか慎重に決めねばならない。

車両のキー、バッテリー、タイヤ、燃料など。必要品を揃え、脱出地点がアンロックされると、Rakeのビジョンとダッシュ能力が大幅に強化。人間チームは大急ぎで逃げ出すことに。また武器庫には、鍵を一定数見つけることでアクセスできる仕組み。ただ武器庫を開くと、やはりRakeの能力が強化されるため、戦う覚悟を決めた上で開く方が良いだろう。


人間側のパークは16種類あり、車両の修理、銃器の扱いなど、特定のシチュエーションで役立てることが可能。先述したようにパークはマッチごとにランダムで付与されるため、都度チームメイトの状況を確認した上で役割分担するのが好ましいだろう。なおゲーム内ボイスチャットによりコミュニケーションを図れるが、その声もRakeに感知されるので要注意。Rakeへの対抗手段としては、武器庫にある武器のほか、フラッシュバンによる一時的な無力化がある。懐中電灯のバッテリーを消費することで使える技だ。人間プレイヤーの視界にも影響が及ぶため、注意して使う必要あり。

Rakeに倒され死亡しても、そこで終わりではない。小さなネズミになってスポーンし、仲間を助けることができる。アイテムを見つけたり、Rakeの注意をそらしたりと、チームとしての勝利を目指して貢献するのだ。ゲームモードとしてはシングルプレイとマルチプレイがあり、シングルプレイはいわば練習モード。人間側として一人で遊べる。マルチプレイではロビーに参加する形式で他プレイヤーと遊ぶ。

一応日本サーバーもあるが、小さなインディーゲームゆえに本稿執筆時点では日本サーバーのロビーがほとんど見当たらず。欧米サーバーにプレイヤーが集中している状況となっている。一人で飛び込む場合、英語圏のプレイヤーとのマッチングがメインとなるので、購入を検討する際には、フレンドを誘って一緒に遊べるようにしておくのも手だろう。


トウモロコシ畑と納屋、いくつかの小屋がある静かな真夜中マップで、人間側で遊んでいても、懐中電灯を使わないとうまくナビゲートできない暗さ。そんな暗くて静かな森の中、Rakeは高速かつ物音をほとんど立てず、BGMによる警告もなく迫ってくるので、いきなり掴まれるとかなりビックリする。ビックリ系、ジャンプスケア系のホラーが苦手な方は要注意だ。

https://twitter.com/Inadequate_GG/status/1317532112543748097


モンスター側の視力に制限を設け、聴覚情報にフォーカスさせるというアイデアを取り入れた非対称マルチホラー『In Silence』。トルコのゲーム開発者2人で制作された小規模なプロジェクトであり、早期アクセス期間は2~3か月を予定。現時点でコンテンツはすべて含まれており、フィードバックを得ながらのバグ修正やバランス調整に主眼を置いた早期アクセスとなる。また正式リリース時にはサーバーを増設。価格は早期アクセス時の1010円よりも上がるとのことだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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