『アサシン クリード ヴァルハラ』は猫だけでなく犬ともふれあえる、しかも濃厚に。ヴァイキングのモフりに見る、大作の矜恃

 

いよいよ発売日を11月10日に控えた『アサシン クリード ヴァルハラ』では、「あの要素」にかなり力が入れられているようだ。海外メディアPolygonの記者が伝えている。数々の大作を追いかけ続けているユーザーなら、同作が名作入りを果たせるか否かの分かれ目を一点で判断できるかであろう。「動物をナデナデできるか」である。今、ゲームにおけるもっとも重要な要素はふれあいアニマルにあるといっていい。直近では『ゴースト・オブ・ツシマ』がアップデートにて、わざわざ蒙古兵の犬や式神をなでられるようにした。

『アサシン クリード ヴァルハラ』もそのトレンドを逃すことなく、「エイヴォルが猫を抱きしめられる」要素をすでに明かしている(関連記事)。とはいえ読者の半数はやきもきしていたことだろう。犬についてだ。シリーズに登場する犬といえば、『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』でエドワードがアイリッシュ・ウルフハウンドを迎えたことが印象深い。また『アサシン クリード オデッセイ』では特定のアビリティを取得することで犬(というか狼)をおともにできる。
 

 
とはいえシリーズで犬がつねに良き友だったかというとそんなこともなく、警備犬として行手に立ちはばかることもしばしば。また前々作『アサシン クリード オリジン』のバエクが完全なる猫派で、フィールドの犬をスルーしていたというショッキングな前例もある。『アサシン クリード ヴァルハラ』においても、猫の抱きしめ情報しか先行公開されていなかったことから、今作の犬の扱いについては誰もが気を揉んでいたことと思う。

しかし朗報である。『アサシン クリード ヴァルハラ』では犬とも猫ともふれあうこともできる。しかもエイヴォルは従来主人公に比べ、かなり濃厚に動物たちとイチャついてくれるのだ。他のオブジェクトと同様、任意のタイミングでインタラクトでき、ふれあい場面では独自のカットシーンが挿入される。あるときは無骨な手で犬の毛並みをワシワシと撫でくりまわし、ハグせんばかりのスキンシップ。そして猫については既報のとおり、なでるどころかガッシリと抱えることができる。世界一長いといわれる北の大地の猫は、へたな赤ん坊よりもはるかに巨大で重量感がある。
 

 
もはや「犬猫をなでられる」だけでは突出することは難しいくらい、ゲーミングにおける動物ふれあい要素は戦国時代と化している。その中において『アサシン クリード ヴァルハラ』は搦め手を使うことなく、直球の「ふれあいの濃厚さ」で勝負を仕掛けてきた。そこには次世代機対応のグラフィックを存分に活かした、リッチな表現への確かな自信があると見てとれる。犬や猫とのふれあい要素は単なるお楽しみ要素から、大作ゲームの表現力と矜恃を推しはかるひとつのベンチマークとなりつつあるのかもしれない。『アサシン クリード ヴァルハラ』はPlayStation 5 / PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに11月10日発売予定だ。