巨大生物上の街づくりシム『The Wandering Village』発表。巨獣の背中に集落を築き、瘴気に沈む終末世界を生きぬけ
スイスのインディースタジオStray Fawn Studioは10月13日、都市建設シム『The Wandering Village』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2021年後半に早期アクセス配信開始を予定している。あわせてクラウドファンディングキャンペーンも実施中。現地時間で11月13日までKickstarterキャンペーンでの支援を受け付けているという。
本作の舞台となるのは、未知の植物が大地を汚染する世界だ。地上には有毒な胞子が撒き散らされ、人々は住む土地を追いやられていた。彼らが唯一生き延びることができるのが、ある特別な土地に建てられたシェルターである。彼らの居住地シェルター、それは巨大な身体をもつ四足歩行生物の背中の上にあるのだ。
人々から「オンブ」と呼ばれるその生物は、まるでひとつの山ほどはあろうかという巨躯を誇り、背中には木々が茂り独自の生態系が築かれている。謎の胞子汚染に刺激され長き眠りから目覚めたオンブは、侵食を逃れふたたび安息を得られる地を求めてゆっくりと歩みを始める。プレイヤーはそんな生き物の背中で集落を築き、民の暮らしを導くことになるのだ。平穏を守るためには人間の面倒を見るだけではなく、温厚なオンブとの共生関係を維持することも重要となる。
『The Wandering Village』の中核となるのが都市建設とリソースマネジメントだ。まず民衆を養うために、畑を耕し作物を育てよう。同時に探索隊を出動させ、里の周辺の資源を集めさせたり、辺りを偵察させたりすることで持続的に居住区を拡大させるのだ。そして暮らしの安定の鍵となるのが、足元のオンブとの関係である。人類とオンブの共通する目標は、胞子に脅かされず平穏に暮らせる場所を見つけること。そのためにはオンブとの良好な関係が鍵となる。
人々が背中で生活を続けるうちも、オンブは絶え間なく歩み続けている。人間がオンブの健康状態を保つための手伝いを手伝ってあげると、徐々にオンブからの信頼を得ることが可能だ。やがてプレイヤーのコマンドに従い、オンブは人間が望む方角へ足を向けてくれるようになる。待ち受ける環境には多様なバイオームが存在しており、それぞれに恩恵や困難があるという。異なるイベントも都度発生するそうで、ランダム性のあるローグライク要素もかかわってくるようだ。
Stray Fawn Studioはスイス・チューリッヒに拠点をおくスタジオだ。過去作としては、ファンタジックな生物を育成するサバイバルゲーム『Niche – a genetics survival game』もあれば、巨大ドローンで宇宙を戦い抜くSF『Nimbatus – The Space Drone Constructor』まで幅広い作風のゲームを手がけてきた。生物学に精通したゲームデザイナーと、宇宙マニアのソフトウェアデザイナーの知見が独自の世界観構築に一役買っているようだ。
前々作の『Niche』では現実の生物にもとづいたクリーチャーデザインが特徴だが、オンブはどこにも実在しない生き物としてデザインされたことがKickstarterにて語られている。さらに、汚染に苦しむ世界観などはスタジオジブリ作品、特に「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」などに影響を受けたという。
『The Wandering Village』は2021年後半、PC(Steam)向けに早期アクセス配信を予定している。また現地時間11月13日までKickstarterキャンペーンでの支援を受け付け中。13ユーロ(1617円)以上出資すれば、PC版のゲームコードが手に入る。