Nintendo Switch本体の大手改造ツールを手がける老舗グループのリーダーが逮捕。アメリカで起訴される
アメリカ司法省は現地時間10月2日、Team Xecuterのメンバー2人が逮捕され、もうひとりのメンバーと共に、シアトルの連邦地方裁判所にて起訴されたことを明らかにした。
Team Xecuterは、2001年に発足し活動を続ける、家庭用ゲーム機の改造ツールの開発において長い歴史を持つハッカーグループ。最近では、Nintendo Switch本体のハックを可能にするSX ProやSX Core、SX Liteといった製品で知られる。今回起訴されたのは、48歳のフランス人Max Louarnと、35歳の中国人Yuanning Chen、そして51歳のカナダ人Gary Bowser。Team Xecuterは世界中の十数名のメンバーで構成され、彼らはこのグループのリーダーだったという。
Max LouarnとGary Bowserに関しては今年9月に米国外で逮捕され、Bowserはドミニカ共和国の協力を得て米国に移送。10月2日に連邦地方裁判所に出廷した。Louarnはフランス在住であり、現在も身柄の引き渡しを求めているところである。
起訴状によると、Team Xecuterは非営利の自作ゲームの開発者を支援するという名目でハックツールを手がけてきたが、海賊版ゲームのプレイのためにツールが利用されているというのが実態だったとのこと。またTeam Xecuterも、海賊版ゲームのオンラインライブラリの作成などのサポートをおこなっていたという。そして、著作権保護対策の回避や通信詐欺、マネーロンダリングなど11の罪に問われ、今回リーダーたちが逮捕・起訴された。このうちGary Bowserはツール開発を主に担当していたほか、偽名でゲームニュースサイトの運営にも携わっていたという。
先述したSX CoreやSX Liteなどは、Team Xecuterの現在の主力製品であり、Nintendo Switch・Nintendo Switch Liteにカスタムファームウェアをインストールし、自作ゲームだけでなく海賊版ゲームの利用も可能となる。任天堂は、これらの製品を扱う販売代理店を相手取った訴訟を繰り返しており、一部では賠償金の支払いや製品の破棄などを条件とした和解に至っている(関連記事)。また、イギリスではTeam Xecuterの公式サイトへのアクセスをISPにブロックさせることにも成功。一方で、開発元であるTeam Xecuterには直接的な対応ができないでいた。今回リーダー格のメンバーが逮捕・起訴されたことで、同グループの製品の開発や流通にどのような影響が及ぶのか、今後の展開が注目される。