『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』英国パッケージ版売上は『ブッとび3段もり!』より約80%減。何が差を生んだか

 

『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』(以下、クラッシュ・バンディクー4)のイギリスにおけるパッケージ版売上が『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』より80%低いことをGameIndustry.bizが報じている。

『クラッシュ・バンディクー4』は10月2日にActivisionが発売した3Dアクションゲームで、対応プラットフォームはPlayStation 4/Xbox One。1998年に発売された『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周』のその後の物語を描くシリーズ完全新作だ。ステージの場面によって視点が次々に移行していくシリーズお馴染みのスタイルを継承しつつ、特殊なマスクを使うことで時間や重力を操る新たなアクションも盛り込まれた。

一方『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』は2017年に発売された過去作のリマスター版で、クラッシュシリーズの初期3作『クラッシュ・バンディクー』『クラッシュ・バンディクー2 ~コルテックスの逆襲!~』『クラッシュ・バンディクー3 ~ブッとび!世界一周~』をリマスターして1本にまとめた作品となっていた。こちらはPlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam)版がリリースされている。

『クラッシュ・バンディクー4』売上のうち82%はPS4版のものだったという。『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』および『クラッシュ・バンディクー レーシング ブッとびニトロ!』が大きく売上を伸ばしたNintendo Switchにける展開は今のところ発表されていない。


なお英国パッケージ版売上チャートにおける2位は、『クラッシュ・バンディクー4』より売上を1000本下回り、Electronic Artsが発売した『Star Wars:スコードロン』がランクイン。こちらもパッケージ版に関しては、ジャンルは違うが昨年リリースされた『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』より72%減少している。ただしチャートの売上はパッケージ版の販売本数のみ反映しているため、ダウンロード版込みの売上でみた場合の差はもっと小さい可能性がある。

GameIndustry.biz記者はパッケージ版不振について、ここ6か月新型コロナウイルスの影響でダウンロード版の販売本数が伸びていることの影響だと推測している。また『クラッシュ・バンディクー4』が『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』に遅れをとった原因としては、原作ユーザーに対する訴求力の強さや、価格設定なども挙げられるかもしれない。前者が1タイトルで60ポンド(約8200円)に対し、後者は3タイトル分収録して35ポンド(約4780円)。完全新作とリマスター版という差があるとはいえ、コストパフォーマンスのみを考えるユーザーへのリーチに幅が生じた可能性はありそうだ。

なお先週売上ナンバー1だった『スーパーマリオ 3Dコレクション』は売上が23%落ち込み第3位に。また『Marvel’s Avengers (アベンジャーズ)』が1週間あたりの売上20%減で2位から5位へ下落した。また『Mafia: Definitive Edition』『Mafia Trilogy』はそれぞれ9位・10位でトップ10入りを続けている。