『マリオカート ライブ ホームサーキット』は海外スタジオの持ち込み企画だった。プレゼンするために京都まで訪れる

任天堂は10月2日、Nintendo Switch向けレースゲーム『マリオカート ライブ ホームサーキット』の続報を公開。ニューヨークのスタジオの持ち込み企画だったようだ。

任天堂は10月2日、Nintendo Switch向けレースゲーム『マリオカート ライブ ホームサーキット』の公式サイトを公開した。またこれに合わせて、本作の開発を担当するVelan Studiosへのインタビュー映像も公開している。

『マリオカート ライブ ホームサーキット』は、カメラが内蔵されたリアルのカートを製品のセットに同梱する作品。プレイヤーは自室などの床に付属のゲートや矢印看板を配置して自由にコースを作り、Nintendo Switchを使ってラジコンのようにカートを走らせることができる。その際Nintendo Switch本体の画面には、レースに参加するほかのキャラクターたちや、ダッシュキノコアイテム、障害物のパックンフラワーなどが、カートのカメラから送られてきた映像と組み合わせて表示。アイテムの効果がカートの動きに反映されるなど、リアルとゲームが連動したMR(複合現実)作品となっている。

本作の開発を担当するのは、ニューヨークに拠点を置くVelan Studios。2017年の夏にはすでに本作のプロトタイプのテストを開始しており、当時はゴーグルタイプのモニタを使用していたという。ドローンレースのようなスタイルだったのだろうか。その後、モニタを手に持ったスタイルの方がしっくりくることに気づき、同年ローンチしたばかりのNintendo Switchで展開できるのではないかと考えたそうだ。

Velan Studiosの公式ブログによると、数か月間の初期プロトタイプ制作を経て、実際のカートの目線での走行とゲームプレイをMRによって組み合わせることで、まったく新しい体験を生み出すことができたという。また、遊んでいて楽しいと感じられたことも重要だったとしている。そして同スタジオは、これを任天堂に試してもらうために京都の本社を訪れる。

任天堂も、そのプロトタイプを触って『マリオカート』の新たな楽しみ方に繋がることを認識。一方で、当時は技術的な問題が山積しており、そのひとつとしてはカートのバッテリー持続時間の短さが挙げられている。ただ、任天堂は同スタジオを信頼し問題の解決を約束。そして、同スタジオもニューヨークに戻って開発を続け、両社のコラボレーションによる『マリオカート ライブ ホームサーキット』として実を結ぶこととなった。

カートという玩具であり機械製品を利用するゲームとなると、安全性の確保なども含め製品化のハードルは相当高かったはず。その点で、経験豊富な任天堂の全面的なサポートを得られたのは、Velan Studiosにとって幸運だったと言えるかもしれない。もちろん、同スタジオの発想力とMR技術が認められた証でもあるだろう。

マリオカート ライブ ホームサーキット』は、10月16日発売予定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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