ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月1日、PS5向け『Marvel’s Spider-Man』についての詳細情報を公開した。同作は『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales Ultimate Edition』に収録されており、PS4向けに発売された『Marvel’s Spider-Man』をリマスターしたもの。ピーター・パーカーの物語がPS5向けに最適化されリリースされることはすでに明かされていたが、なんと主人公のモデルごと変更されているようだ。
PS5版『Marvel’s Spider-Man』は、次世代コンソールPS5のパワーを活用したローンチタイトルになっており、ニューヨークの町並みが美しくなり、レイトレーシング表現の導入やアンビエントシャドウの実装によって、窓に映るスパイダーマンも美しく描写される。そしてリマスターにあたり、主人公であるピーター・パーカーのモデルも変更されている。
PS4版『Marvel’s Spider-Man』のピーター・パーカーは、ニューヨーク生まれのアメリカ人俳優John Bubniak氏がフェイスモデルを務め、声優のYuri Lowenthal氏が声とモーションキャプチャーを担当。あどけなさが残りながらも、強い意志を持つ好青年が、Bubniak氏とLowenthal氏、そして開発元のInsomniac Gamesにより実現されていた。しかしPS5向けリマスター版では、Yuri Lowenthal氏の担当パートはそのままに、パーカーのフェイスモデルがBen Jordan氏へと変更されたようだ。IGNが投稿した比較動画を見れば、その違いは一目瞭然。よりフレッシュな顔立ちになっている印象だ。
しかし、馴染みある顔が変更されるとならば、ファンとしては心中複雑なもの。新ピーターをお披露目する映像には賛否両論の声が寄せられており、YouTubeのコメント欄は低評価が上回っている。こうした流れを予期していたのか、Insomniac Gamesで『Marvel’s Spider-Man』シリーズに携わるクリエイティブ・ディレクターのBryan Intihar氏が、ファンの声に反応した。
フェイスモデルの変更は一部ファンを驚かせただろうとし、Insomniac Gamesはそうしたファンたちの反応を理解するとコメントした。しかしPS5版をリリースするにあたり、Yuri Lowenthal氏の演技により合うフェイスモデルを見つける必要があったと説明。ファンの声に耳を傾けゲームを改善していくと語りながら、フランチャイズの将来を見据えた自分たちの決断を信じてほしいと、呼びかけている。
SIEの発表文でも、『Marvel’s Spider-Man』のパーカーの礎となっているYuri Lowenthal氏のフェイスキャプチャーにあわせるべく、フェイスモデルを変更したと告知されている。Lowenthal氏のフェイスキャプチャーとマッチさせることは、それほど重要なのだろう。一方でRedditのスレッドにて「Andrew Garfield to Tom Holland」とのコメントがUpvoteされているように、今や映画シリーズの「スパイダーマン」の代名詞となっている、Tom Holland氏のイメージに近づける意図があったのかもしれない。既存ユーザーとしては、John Bubniak氏のパーカーこそが、『Marvel’s Spider-Man』のパーカー。しかし、その印象を変えて批判を受けてでも、Ben Jordan氏に変更する必要があったということだろう。
そのほか以前から述べられていたように、PS5版『Marvel’s Spider-Man』では、パフォーマンスモードでは60fpsにてゲームを楽しめ、描写距離の延長や歩行人数の追加、SSDによって高速化したローディングやDualSenseの触覚フィードバックなどが体験できると告知している。パーカーの顔についても、フェイスモデルが変更されただけでなく、肌の描写や目や歯のレンダリングまで、次世代レベルのビジュアルが実現されているそうだ。
リマスター版『Marvel’s Spider-Man』は、PS5向け『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales Ultimate Edition』に収録されている。美しく新しくなった『Marvel’s Spider-Man』を味わいたい人は、この「Ultimate Edition」を購入することになるだろう。