スクウェア・エニックスの吉田直樹氏は、9月27日に放送された「SQUARE ENIX PRESENTS at TGS 2020 Online」にて、自身がプロデューサーを務める『ファイナルファンタジーXVI』(以下、FF16)についてコメントした。スクウェア・エニックスはTGS期間中さまざまプログラムを放送しており、大トリとして「ファイナルファンタジーXIV 吉P散歩」が実施された。例年のイベントとして『FF14』の世界を散歩する、そんな企画であったが、ゲストの鋭いにツッコミに答え、『FF16』の新情報が明かされた。
プログラムでは、吉田直樹氏と室内俊夫氏のおなじみの顔に加えて、ゲストの齊藤陽介氏とヨコオタロウ氏が登場。持ち前のアナーキーさを出しつつ、16の数字を出しボケ倒し、『FF16』について鋭く切り込む。吉田氏はたじたじになりながら、同作についてコメントした。吉田氏は『FF16』の今後のプランとしては、10月下旬にティザーサイトを開設、キャラクターや世界観について情報を出していくと明かした。しかしその後は、開発に集中するために次の情報は2021年に出したいと再強調。齋藤氏の「(情報公開がないことは)そんなの許されない」というジョークに苦笑しつつ、発表にあたっての裏情報も明かされた。
吉田氏によると、『FF16』の発表については“頑張った”という。というのも、発表映像は、レンダリングした美麗なムービーとロゴを出すだけのような形にはしたくなかったそうだ。できるだけリアルタイムのインゲームで動いている映像にしたいという意図があり、あのトレイラーが作り上げられたのだ。ただし、(トレイラー製作については)時期的にはきつかったとも語られている。同作はまだ最適化やチューニングはされておらず、この後リリースされるタイトルと比較されるのではないかという葛藤も吐露。それでも、動いているものを見せたかったという。売りの部分などは入ってないトレイラーになったので、ちゃんとつくってから改めて見せたいとも語られている。
『FF16』は、9月17日の「PLAYSTATION 5 SHOWCASE」にて映像と共にPS5向けに発表された。「これは、クリスタルの加護を断ち切るための物語」のキャッチコピーと共に公開された映像は、剣と魔法のファンタジーな世界観にダークな演出など、『FF14』を手がける第三開発事業本部らしい作品になることが垣間見える。YouTubeの海外向けトレイラーは高評価が多く反応も上々であるが、映像技術において業界をリードしてきたスクウェア・エニックスの作品としては、ビジュアルが物足りない。そんな意見もコミュニティでは散見される。吉田氏はそうした経緯から、今後さらに洗練されていくという旨の発言をしたかもしれない。
ただし、こうした発言もこぼれ話だったようで、スクウェア・エニックス“取締役執行役員”である齊藤氏に「いいんですよね、それで」と様子伺い。齋藤氏は「(ディレクターである)髙井浩氏は今日来てないの?」と質問には答えず、ボケかぶせ。一方のヨコオ氏は「『FF16』のPVが出てから、吉田さんの初コメントですよね。この発言を引き出した我々の功績たるや……」と謎のジャーナリスト精神を発揮。さらに齋藤氏は「ほかのゲストに断られたから呼ばれたと聞いた、マジかよ」と応酬。吉田氏は「今の流れからすると、(二人をゲストに)呼ぶんじゃなかった」と返し、視聴者の笑いを誘った。その後吉田氏は改めて、『FF16』ではプロデューサーとしてディレクターの高井氏をアシストしていきたいとコメント。それまでは『FF14』を楽しんでほしいと室内氏と共に語った。
「ファイナルファンタジーXIV 吉P散歩」では、そのほかにも『FF14』パッチ5.3.5の公開日が、スタッフに夏休みをとってもらうためにやや伸びたこと。5.4については在宅勤務状況が整備できたので、12月にリリースできそうであることなども語られている。齋藤氏とヨコオ氏をまじえた、仲睦まじい吉P散歩も含めて楽しげなプログラムになっているので、アーカイブ映像を確認してみてほしい。『FF16』に関する発言ニュアンスなども、実際の映像を見る方が正確に意図を汲み取れるだろう。
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