アイスランドのゲームスタジオCCP Gamesは9月25日、宇宙探索MMOゲーム『EVE Online』を日本にて近日中に自社配信することを発表した。完全な日本語化および日本の『EVE Online』コミュニティへのサポートに対応するという。同作は2017年までネクソンと共同で配信を行っていたが、両者の契約終了にともない日本語でのサービスが終了していた。
『EVE Online』は2003年からサービスが続く宇宙戦艦MMOゲームで、2016年には一部スキル等に制限付きのF2P版がリリースされている。広大な宇宙をサンドボックスとして多彩な種類の宇宙船を開発・操縦でき、宇宙探索のほかPvP・PvE・採掘・経済活動など自由度の高いアクティビティを行うことが可能。またユーザー間のコミュニティによるダイナミックな活動が特徴で、コーポレーションやその連合体であるアライアンスに所属して経済・政治活動を行ったり、近隣星系の領有権を巡る戦争に参加したりしながらゲームを進めていく。かつての大規模な戦闘では、ひとつの銀河系内で何千人ものプレイヤーが参加し終了までに21時間を要したこともあった。
CCP Gamesのヒルマー・ペトゥルソンCEOは今回の発表に際してコメントを発表。「日本のプレイヤーの皆さまが誇りに思える体験を提供できることを楽しみにしております」と述べた。またパブリッシングVPを務めるエイルン・ヨンスドッティル氏は「私たちはこのプロジェクトに数か月にもわたって取り組んできました。現在は熟練のパートナーに加えて、日本のEVEプレイヤーたちによるコミュニティとも共同し、貴重な知見を提供していただいております」「私たちの目標は最高品質のローカライゼーションを提供し、日本のEVEコミュニティがますます大きく成長していくのを見守ることです」と語る。
ヨンスドッティル氏が語るとおり、日本語版運営にあたりまずは国内コミュニティからのフィードバックを集める基盤を整えているようだ。日本語版『EVE Online』の改良に向けて、CCP Games は『EVE Online』の公式フォーラムに日本語セクションを開設。日本のプレイヤーからの意見を積極的に募集している。くわえて日本語版の Twitter アカウント も開設され、国内向けに最新情報がアップデートされる予定だ。
CCP Gamesは2018年、韓国のMMORPG『黒い砂漠』で知られるPearl Abyssに4億2500万ドルで買収されている。その後『EVE Online』の韓国語版をリリースしたことなどから、アジア市場での展開や日本語版の再始動が期待されてきていた。なおCCP Gamesのロンドンスタジオは『EVE Online』のFPSプロジェクトを進行していることが伝えられている(関連記事)。こうした関連情報も今後は日本へ向けて積極的な配信が見込めそうだ。