Respawn Entertainmentの開発者は『Apex Legends』のマップ「キングスキャニオン」に、かつての人気スポット「スカルタウン」を再建したい考えを明らかにした。9月23日海外メディアGamasutraの記事で報じられた。
スカルタウンはシーズン4までキングスキャニオン南部に存在していたミッドティアエリアだ。豊富な物資確保が見込める一方、建物が密集しており思いがけず敵と出くわすことも。ゲーム開始直後から戦闘が発生しやすいため、早めに撃ち合いに入りたいプレイヤーにとっては人気の市街地だ。シーズン5のマップ改変以降は街が丸ごと消滅。その後しばらくプレイヤーがスカルタウンを訪ねる機会はなかったのだが、「9月晩餐会」イベントにて特殊なかたちで復活を果たした(関連記事)。期間限定モード「闇夜のキングスキャニオン」にて旧バージョンのマップを遊ぶことができ、一時的にスカルタウンを再訪できるようになっていたのだ。懐かしい人気スポットの復活は大好評を博し、ドロップシップから1か所目がけてプレイヤーが集中降下する様子が話題を呼んだ。
スカルタウンのコンセプトについて、デザインディレクターのJason McCord氏が詳しく語っている。もともとはMcCord氏が『Titanfall』でデザインした砂漠地帯のマップ「ボーンヤード」にインスピレーションを得て設計されたそうだ。開発プロセスでは前作の産物をスタート地点として徐々にかたちを変えていくそうだが、スカルタウンは最終的に「ワイルドフロンティア」をテーマとした姿に落ち着いた。このモチーフはキングスキャニオン全体に通ずるアイデアにもなったという。当初から数多くの建物が建てられアイテム収集に適した土地として意図されていたが、現在ほど熱い視線を集めるとは思いもよらなかったとのこと。実のところ、McCord氏は当初リパルサーがもっとも人気の降下地点になると考えていたそうだ。
スカルタウンがこれほど魅力的となった原因についてMcCord氏は自身の考えを述べている。基本的に本作で集客率が高いのは開始早々にキルを獲得できる土地だからだという。街では迅速に物資を獲得できるうえ、4〜5チームが集中するため即座に戦闘を始めることができる。またMcCord氏が当初気がついていなかったこととして、リングがどの方向に縮小している場合でもアクセス良好な点が人口集中の一因となったようだ。ちなみにスカルタウンに匹敵する他のロケーションとしてはワールドエッジのフラグメントイースト/ウェストが挙げられるという。スカルタウンと多くの共通点を有しており、最初のマップでチームが得た知見が活かされているといえるだろう。
誰しも疑問に思うのは、なぜこれほど人気のスカルタウンがシーズン5で海の藻屑となってしまったかだ。その裏には、開発陣がスカルタウンに“呪われていた”ともいえる状況があった。新たなシーズンに向けキングスキャニオンのリニューアル案を考えていた際、どのようなアイデアを出しても超人気スポットの影でかすんでしまうという問題が浮上する。「確かにいい案だね。でもスカルタウンに近すぎるよ」といった具合で行き詰まってしまい、チームの創造性が阻害されていたという。そこでMcCord氏は「仮にスカルタウンが海に沈んじゃって、今はないとしたらどう?」と発案を促してみた。メンバーは思わず笑ってしまったそうだが、この仮定を組んだことでしだいにさまざまな案が浮かぶようになったという。開発チームの熱は高まり、スカルタウンの呪縛からキングスキャニオンを解き放つことを決断。マップ改変にあたってはストーリーが深く関わってくるため、早い段階でスカルタウンを消滅させることを決め、まもなくシーズン5のローバの物語が形作られるようになった。
しかし「闇夜のキングスキャニオン」におけるスカルタウン・フィーバーを目にしたMcCord氏は、プレイヤーが街の復活を待望していた事実に衝撃を受けたそうだ。市街地でのデスマッチが一部ユーザーに深く愛されている事実を受け止め、現在は「ゲーム全体にとってより良いかたちで」スカルタウンを復活させることを考えているとのこと。どういった姿になるかはいまだ見当がつかないものの、人気エリアの再興に向け前向きな姿勢を示している。進化アーマーがデフォルト装備となった今なら、開幕即修羅場となる過密エリアがあることでさらなる戦略を考えることができそうだ。