Nintendo SwitchのJoy-Conスティックが勝手に動く問題、ひとりで訴訟し小さな勝利を勝ち取ったユーザー現る

Nintendo Switch用コントローラーJoy-Conアナログスティックに触れていないのに、勝手にスティック操作がおこなわれる現象。同件を訴訟し勝利を勝ち取ったユーザーが現れた。

Nintendo Switch用コントローラーであるJoy-Conにまつわる“ドリフト”問題。アナログスティックに触れていないのに、勝手にスティック操作がおこなわれる現象のことである。内部パーツの何らかの不具合が原因ではないかと考えられており、アメリカでは集団訴訟にも発展している。そんななか、イギリスではたったひとりで裁判を起こし、任天堂から返金を勝ち取った人物がいるようだ。

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*Joy-Conドリフトの例

Redditユーザーのcrownshots氏は、いまから約1年半前にNintendo Switchを購入。そして数週間経った頃にJoy-Conドリフトが発生したという。それから同氏は、修理に出しては同じ不具合に遭遇することを2回繰り返すことに。最終的に、任天堂に部分返金を求めることにした。EU法において消費者の権利として認められているため、本体を保有したままJoy-Conについてのみ返金を受け取り、新たなJoy-Conに買い換えようと考えたのだ。

ただ、任天堂のサポート担当者からは返金はできないとし、ふたたび修理に出すよう求める回答があったという。そうした対応は違法であると考えたcrownshots氏は、上司か法務部の人間を出すよう担当者に求めるも叶わず。最後には、裁判を起こしたらどうかと言われ話を打ち切られたとのこと。

これを受けてcrownshots氏は、任天堂に苦情を申し立てることを考え、正式な方法について何度か同社に問い合わせるが返信はなし。次に、公的オンブズマン制度を利用し裁判外紛争解決手続を取ろうと試みるが、任天堂の本社が国外にあるため役には立てないと言われてしまう。こうした経緯から、任天堂の欧州法人を相手取り少額訴訟を起こす道を選ぶこととなった。

Image Credit: crownshots


イギリスでは、政府の公式サイトを通じて、誰でも簡単に少額訴訟の手続きが可能。crownshots氏は、すべての証拠をアップロードし訴訟を起こした。結果としては、任天堂は期限である21日間のあいだに反論をおこなわなかったため、争うことなく同氏の勝訴が確定。すると直後に任天堂から、数多くのメールに対処していたため対応できなかったとする連絡があったという。そして、返金の受取方法を伝えてきたそうだ。

紆余曲折を経ながら何か月もの時間をかけて、ようやくJoy-Conの返金を勝ち取ったcrownshots氏は、特に法律に詳しいわけではなく、訴訟を起こすことは怖かったと振り返る。ただ、同じような問題に直面している人たちに対して、サポート担当者の回答を鵜呑みにするのではなく、返金を受け取れるなどの権利があるのであれば戦ってほしいと呼びかけている。

Image Credit: 任天堂


なお、冒頭で触れたアメリカでの集団訴訟については、進行中の2つのケースについて和解に向けた手続きが進められている(関連記事)。また、今年6月に実施された株主総会での質疑応答にて、任天堂代表取締役社⻑の古川俊太郎氏は「Joy-Conに関して、お客様にご迷惑をおかけしていることをお詫び申しあげます。製品の改良については継続的に取り組んでいます」とコメント。ただ、上述のとおり係争中であるため、具体的な対応についての回答は差し控えると述べていた。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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