インディーゲームオールスター対戦『Bounty Battle』Steamなどで発売されるも、低評価。 「インディースマブラ」は惜しさに苦しむ


パブリッシャーMerge Gamesは9月10日、乱闘アクションゲーム『Bounty Battle』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Xbox Oneおよび海外向けにPlayStation 4/Nintendo Switch。Steamでは9月18日まで、15%オフの1742円で入手することができる。本作はさまざまなインディーゲームのキャラクターが一堂に会する2D対戦アクションゲームだ。ルールとしてはキャラごとに用意されたアクションを繰り出しHPを削り合う。床がないステージでは落ちると残機を失い、ここらへんも含めて『大乱闘スマッシュブラザーズ』風味。本作ならではの点として、スタミナの概念が導入されている。野心的な作品にも見えるが、しかしその評判は芳しくないという。

「インディーゲーム版『大乱闘スマッシュブラザーズ』」とも称される本作の目玉は、名だたるタイトルとのコラボレーションだ。本作にキャラクターが出演する作品群は下記のとおり。

Awesomenauts
Axiom Verge
Battle Chasers Nightwar
Blasphemous
Blocks that Matter
Blubber Busters
Darkest Dungeon
Dead Cells
Death’s Gambit
Doko Roko
EITR
Flinthook
Guacamelee!
Jotun
Nuclear Throne
Oddmar
Owlboy
Pankapu
Ruin of the Reckless
SteamWorld Dig
Super Comboman
The Bug Butcher
Tower of Samsara

インディーゲームというジャンルを知っていれば、いずれかの作品について聞いたことがあるだろう。それほどの顔ぶれである。知名度こそ差はあるが、いずれも高評価作品。またキャラだけでなく、各作品のステージやサウンドまで登場するなど至れり尽くせり。名だたるゲームが並んでいるが、メディアやSteamレビューにおける評判は良くないようだ。どのような点で低評価を受けているのだろうか。

まず指摘されているのはフレーム処理におけるカクつきだ。本作ではfpsを下げる設定がなく、戦闘中に処理落ちしてスローダウンすることがしばしば発生する。1対1の対戦でも描画が追いつかないことがあり、まして4人対戦のときは悲惨な重さだという。またキャラクター全般のアニメーションがぎこちなく、2000年代中頃のFLASHゲームを思い起こさせる物足りないモーションだ。それぞれの原作が一線級2Dタイトルなだけに、どうしても見劣りしてしまう。AIの知能もそれほど高くなく、最高難度の設定でも容易にハメてボタン連打で撃破できてしまうとのこと。

シングルプレイの場合は「トーナメントモード」「チャレンジモード」のふたつがメインのコンテンツとなる。しかしここがややこしいところで、トーナメントモードはさまざまな条件の連戦を勝ち抜いていく“チャレンジ”形式のもの。対してチャレンジモードは勝者同士が戦って優勝者を決める“トーナメント”形式のものとなっており、名前が逆との印象を受ける。またトーナメントにおける連戦はバリエーションに乏しい上、キャラクターを自由に選ぶことができない。ランダムな操作キャラをピックアップされ、ひとりにつき5試合が課されるため、自分の好みのキャラクターに行き着くまでには忍耐を要する。


要所の不親切さにも不満が上がっているようだ。試合終了時には突然バトルが中断されてしまい、ゆっくりと「Game Over」「Good Game」の文字が浮かび上がるまで勝ったのか負けたのかを把握するのが難しい。また「バウンティポイント」と呼ばれるポイントを貯めることでサポートキャラクターを呼び出すことができるものの、ポイントの仕組みやサポートの機能などの説明がほとんどないこともフラストレーションとなっているようだ。

総じて未完成との印象がぬぐいきれず、「早期アクセスにすればよりブラッシュアップできたのでは」との声も少なくない。本作は作りこみの甘さに加え、人気タイトルのキャラクターが集結するという期待度の高さからいっそう落差を生み出してしまったのかもしれない。そもそもインディーゲーム作品が一堂介するオールスターゲームは、本作が初ではない。すでにオールスターゲームとしては『Indie Pogo』が発売されており一定の評価を獲得。そのほかの似たようなインディー対戦ゲームでも、ゲストキャラとして『ショベルナイト』など有名作品のキャラが参戦するケースは珍しくない。ユニークさだけでなく、完成度としてもそれらのゲームと張り合っていかねばならないだろう。

開発元のDark Screen Gamesがこれらの声を受けて改善に動くかどうか、見守りたいところだ。本作はPC(Steam)/Xbox Oneおよび海外向けにPlayStation 4/Nintendo Switchで配信中。