パブリッシャーのAnnapurna Interactiveは9月11日、アドベンチャーゲーム『The Unfinished Swan』のPC/iOS/iPadOS版を配信開始した。価格はPC版が1368円(9月25日までの割引価格)で、iOS版が610円。ゲーム内は日本語表示・音声に対応している。
『The Unfinished Swan』の主人公は、両親のいない10歳の少年モンロー。彼の母親は、亡くなった際に300枚以上の描きかけの絵を遺しており、モンローはその中の1枚だけを持って施設に入ることに。それは母親のお気に入りだった白鳥が描かれた絵。しかしある夜、絵から白鳥がいなくなってしまい、モンローは母の銀色の鉛筆を持って足跡を追った。
本作にてプレイヤーは、色のほとんどない不思議な世界を一人称視点で進んでいく。特に序盤は見渡す限り真っ白であり、方向感覚が掴めないほど。そこで利用するのが、インクのボールを投げるアクションだ。床や壁、オブジェクトに当たり飛び散ったインクによって、周囲の様子が徐々に露わになっていく。
また、蔦の側に水色のインクを投げると、水を求める蔦が伸びていき、たとえば壁を這わせると掴んで登れるようになることも。そのほか、インクのボールを使ったパズル要素もある。そうして世界に色を与え、白鳥の足跡などを手掛かりに進んでいくのだ。
道中では色のついた文字を発見できることがあり、インクを当てると、この世界にまつわる物語が語られる。また、同じくインクを当てると獲得できる風船が収集要素として配置されており、獲得した数によって“おもちゃ”をアンロック可能。インクのボールを正確に投げられるようになったり、近くに風船があることを知らせてくれたり、あるいは本作のコンセプトアートを閲覧できたりといった要素が用意されている。
本作は、『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』で知られるデベロッパーGiant Sparrowが手がけた作品である。もともとSIEや同社傘下のSanta Monica Studioの協力を得て開発され、2012年にPS3版が発売。2014年にはPS4/Vita版もリリースされており、独特のゲームメカニクスによる不思議な体験や、美しく優しい世界観などにより高く評価された。それから6年を経て、今回新たなプラットフォームに移植された。
『The Unfinished Swan』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)およびiOS/iPadOS(App Store)向けに配信中。PlayStation Storeでも引き続き販売中だ。