ボダラン風味のローグライトFPS『Gunfire Reborn』プレイヤー数がSteamで急増。大型セールやストリーマー人気に頼らず注目を集める


Steamで販売中のローグライトFPS『Gunfire Reborn』が、8月~9月にかけて人気急上昇中だ。今年5月に早期アクセス販売を開始した当初からユーザーからの評価は高かったものの、同時アクセスプレイヤー数は平均3000人台と、そこまでプレイ人口は多くなかった。しかし8月後半、具体的には8月20日から同時アクセスプレイヤー数が増え始め、9月に入ってからは平均1万人台を維持。ピーク時には2万8000人に至るようになった。Steamのユーザーレビュー数も増え、今ではユーザーレビュー数1万5390件(93%が好評)の人気タイトルとなっている。


弊誌では以前、『Among Us』というインディーゲームが、発売から約2年後になって突如人気が急上昇したという事例を扱った(関連記事)。人狼系のマルチプレイゲームであり、ゲーム配信との相性の良さからストリーマーの間でトレンドになり、ゲームの存在が広く知れ渡っていった。では『Gunfire Reborn』も同様の普及パターンなのかというと、そうではない。Twitch視聴者数は横ばいだ。

人気上昇のきっかけとなったのは、8月20日のコンテンツ追加アップデート、および同時開催された期間限定セールである。配信人気ではなく、プレイした上での口コミ効果というオーソドックスな方法で人口を伸ばしていったのだと考えられる。セールに関しては大型値引きではなく、オフ率は10%と決して高くない。それでも、注目を集めるには十分な施策であった様子。大規模なセールでなくとも、アップデートとの組み合わせで十分に注目を集められることを示した。もちろん、ゲーム自体のユーザー評価が高いことも、人気維持の大きな要因となっている。

Image Credit: SteamDB


『Gunfire Reborn』は、ローグライク要素と武器のランダム生成要素を取り入れたFPS。ソロおよび最大4人までの協力プレイに対応している。基礎性能やスキルの異なるケモノ系のヒーロー陣から1体を選択し、複数階層のダンジョンに突入。倒した敵や宝箱から手に入る多彩な武器、ヒーローの強化アイテム、補正効果を付与する巻物を集めながら最深部を目指す。ゲームオーバーになれば集めた武器・アイテムを失い、またダンジョンの最初からスタートとなる。ただし冒険の途中で集めたリソースを使うことで、永続的に効果を発揮するタレントツリーをアンロック。ヒーローを強化した上で次の冒険に挑める。

武器は現時点で40種類近くあり、それぞれ異なる性能を有するほか、ランダムでさまざまな特性が付いてくる。属性ダメージを付与するものから、クリティカル率を大幅に上げるものまで。さらに、ダンジョン内で手に入る100種類以上の巻物(オカルトスクロール)、各ヒーロー18種の強化項目(アセンション)との組み合わせにより、プレイするたびに異なる武器・ビルドで遊べるようになっている。海外メディアPCGamesNのように、『ボーダーランズ』をローグライト化したゲームと比喩する者も多い。ゲームの見どころがわかりやすく、協力プレイに対応し、短時間で気軽に遊べる。かつ1220円という手頃価格によりフレンドに勧めやすいゲームでもある。日本語を含む17言語に対応している点も、遊びやすさに繋がっている。


8月20日以降の急なプレイ人口の増加を受け、かつてないほど多くのフィードバックや要望が寄せられるようになったと、8月24日の緊急アップデート時に開発陣が報告。そうした声を踏まえて各種不具合を修正する緊急アップデートが配信された。同作ではもともと、不具合修正・機能改善を中心としたアップデートが週次配信されていた。8月20日以降はさらにペースを上げ、8月24日、8月28日、8月31日、9月3日と、かなりの頻度で不具合修正やバランス調整を進めている。プレイヤーからのフィードバックが増え、それだけゲームの磨き上げが早まっていると言える。

香港のゲームスタジオDuoyi Interactive Entertainmentが手がける『Gunfire Reborn』はSteamにて販売中。早期アクセス期間は2~4か月ほどということで、予定どおりにいけば正式リリースまでそう長くはかからないだろう。