『あつまれ どうぶつの森』の秋アップデートが来ず焦れだしたユーザーたちが、自分たちで小さな秋を創り出す
秋が来たけど、来ていない。『あつまれ どうぶつの森』の北半球においては8月の終わりとともに夏が過ぎ、最後の花火大会が幕を下ろした。9月になるとアキアカネやサケといった新たな生き物が姿を現すように。どんぐりやまつぼっくりを拾い集めてDIYに精を出している島民もいることだろう。さまざまなかたちで「小さい秋」を見つけられるようになったはいいが、プレイヤーが待ち望む「大きい変化」はまだ訪れないようだ。秋の無料アップデートである。
『あつまれ どうぶつの森』では、発売されて以来コンスタントなアップデートがなされている。4月23日にはレイジの園芸店などを追加する春の大型アップデートが実施され、夏に限っては7月3日と8月6日に立て続けに大型コンテンツが追加されてきた。秋のアップデートについてもその存在はすでに明かされている。7月にはすでに「今秋配信予定」との予告が出ており、パンプキンキングのイラストとともに次なるコンテンツへの期待をそそっていた。
しかし9月に入り1週間が経っても今のところアップデートが入る様子はない。焦らず気長に待つのが本作の醍醐味とはいえ、本格的な秋の到来を待ちきれないむらびともいるようだ。アップデートに先がけて、限られた要素で工夫して季節を楽しむプレイヤーを紹介したい。ちなみにシーズン限定アイテム「つきのラグ」などが9月7日に配信されたことから、次回大型アップデートは間を開けて今月末に訪れるのではないかという声もあるようだ。次なるコンテンツを楽しみにしつつ、自分なりの工夫を凝らして秋を見つけてみるのもいいだろう。
涼しい風の季節となり、マイデザイン職人にとってはセーターやコートの制作に腕がなるシーズンだ。いま海外掲示板Redditで話題を集めている気鋭のデザイナーがLula氏だ。「パステルでゴシック」をテーマとする彼女の最新作は「ミッドナイト」「トワイライト」がモチーフとなっている。満天の星がまたたく夜色のコーデと、移ろう空の色を表現した黄昏時のトップスは、秋の夜長をワクワクする時間に変える魔法のコレクションだ。同じくトレンドの前線を行くのがデザイナーMysteriousSkin3氏の作品。こちらはハロウィンモチーフを取り入れつつ、どこかレトロで温かみのあるラインナップとなっている。これから気温も下がる中、秋めく装いでほっこりオシャレを楽しむのはいかがだろうか。
秋のアップデートで楽しみなのは何といってもハロウィンだ。そして祭りの主役といえばカボチャ。もっともコンセプチュアルかつ見た目にも華やかなアイテムをどうしても飾りたいプレイヤーが、あの手この手でパンプキンの「見立て」に挑戦しているようだ。たとえばRedditユーザーのhallohorizons氏は「パンプキン畑」を作り、人気漫画「ピーナッツ」の一場面を再現。色鮮やかなカボチャ……に見えるのは、よく見ると橙色の「あんぜんヘルメット」を後ろ向きに置いたものだとわかる。また同じくRedditユーザーのseektrooth氏は海辺に畑を開墾。マイデザインやオレンジの実を配置し、大小に実ったカボチャを表現している。床に敷かれた畝やキノコの意匠に、「シンプルないど」「たる」などもカントリー調の世界観を演出するのに一役買っている。
島を賑わす自然のひとつが「雑草」だ。本作では草花にも種類があり、クローバーやオドリコソウといったバリエーションが存在。整備のためには引き抜くことを勧められるものの、そのひっそりした存在感から隠れファンもいることだろう。そんな雑草にも季節の変化が存在し、9月に入ってからは白い穂の揺れるススキが見られるようになった。日本人にはお月見などと結びつけられなじみ深い草だが、その分布は中国や韓国など東アジアが中心。では海外ユーザーにススキはどう受けとられているのかというと、「小麦(wheat)」である。TwitterユーザーのMegan氏はあえて雑草を集めて寄せ植えることで、実り豊かな秋の小麦畑を表現している。地域性の違いから生じた興味深い作例といえるだろう。
限られたアイテムをさまざまに「見立て」てロールプレイを楽しむ創造性は、『あつまれ どうぶつの森』プレイヤーの真骨頂だ。公式アップデートを心待ちにしつつ、しばし手づくりの「秋」を楽しんでみてはいかがだろうか。