『Hyper Scape(ハイパースケープ)』開発陣が人口減に言及。新規プレイヤーにとってハードルが高いゲームだと認識

『Hyper Scape(ハイパースケープ)』開発陣が人口減に言及。新規プレイヤーにとってハードルが高いゲームだと認識。

Ubisoftの『Hyper Scape(ハイパースケープ)』開発陣が9月5日にReddit AMA(Ask Me Anything)を開催。ユーザーからの質問に答えていった。同作の開発陣はゲームの発表以来、定期的にAMAを実施しており、ゲームが抱えている問題点や今後の展望に言及。今回はプレイ人口の減少や、新規プレイヤーによる継続プレイの難しさなどに触れている。

『Hyper Scape』は最大100人で対戦するバトルロイヤルFPS。しかしながら8月のローンチから日数が経つにつれて、マッチ1回の参加人数が減少する傾向に。特にPC版での人口減が悩みのタネとなっており、場合によっては10~20人台でマッチが始まることも。RedditやSNS上でも同様の報告が相次いでいた。なお本作はマッチ参加人数に応じて、マップサイズが変動する仕様となっている。人数が少なければ、それだけマップが縮小した状態でスタートする。少人数でもマッチ展開速度が大きく変わらぬよう配慮されているのだ。


とはいえ、マッチ参加人数が少ないとゲームの未来が心配になる。プレイヤーとしては気になるところ。今回のAMAでも、プレイ人口に関する質問が多数寄せられた。具体的には、プレイ人口が極めて少ないのはなぜだと思うのか。また新規プレイヤーを呼び込み、継続的に遊んでもらうための戦略はあるのか、といった質問だ。

この問いに対し、クリエイティブ・ディレクターのJean-Christophe Guyot氏は、新規プレイヤーにとって『Hyper Scape』が難しすぎる場合があることは認識していると回答。プレイヤーが他の作品で慣れ親しんだゲームプレイと大きく異なり、順応するのに時間がかかるとも。新規参入の難しいゲームであるがゆえに摩擦が生じてしまっているが、すべてのプレイヤーにとって心地のよい環境を作れるよう、ゲームを徐々に改善していくと述べた。


本作はアリーナシューター寄りのFPSであり、『Quake』や『Unreal Tournament』などを遊んで育ったゲーマーには高く評価される傾向にある。ただアリーナシューターは現代FPSのメインストリームからは外れている。本作をバトルロイヤルという枠組みで考えたとき、プレイヤーが想定していたプレイ体験と齟齬が生じやすい。バトルロイヤルという主流なジャンルを取り入れながらも、『Hyper Scape』は本質的にニッチなFPSなのだ。

今回のAMAでは、『Hyper Scape』をアリーナシューターと捉えた上で、同ジャンルの進化系となるようなゲームモードの搭載を願う声も見られる。こちらの問いに対して開発陣は、すでに複数のライフを備えたゲームモードの制作に取り組み中だと回答している。ニッチながらも、『Hyper Scape』ならではのプレイ体験を届けるゲームモードに期待したい。

マッチ参加人数が少ないという点については、ロビーのサイズを改善するため、プレイ人口やマッチング時間を絶えず観測し、調整を図っていると回答。例として9月4日に実施したサーバー関連の調整によって、改善が見られたとのこと。今後も、プレイ人口、マッチング速度、ロビーサイズの改善に向けて力を注いでいくという。

*9月3日に配信されたパッチ1.1の概要トレーラー


プレイ人口以外の話題としては、コンソール版へのFOVスライダー追加は優先事項として取り組んでいることや、Ping値の表示を検討していること、敵をキルした際に表示されるドクロマークをクロスヘア付近以外に移動させることなど、今後の予定が語られた。スクワッドモードにキルカメラ/死亡後の観戦機能があると、ゴーストとして仲間を助けなくなってしまうという懸念があるものの、ソロモードであればキルカメラがあっても問題ないのでは、との問いも。こちらには開発陣も同意しており、死亡後の観戦機能を将来的に実装したいと語っている。

プレイヤーランキングやデュオモードの実装、オートラン機能の追加、そして最初のマップ改変がシーズン2時になることも明かされた。クロスプレイに関しては、年内の予定。また本作のマップ「ネオエルカディア」の夜間バージョンが実装される予定はあるかという質問には、「こんな感じのマップですか?」と、以下のスクリーンショットを掲載。将来的に夜間マップが実装される可能性はありそうだ。


バトルロイヤルというメインストリームな試合形式を取りながらも、アリーナシューターという現代ではニッチなジャンルのファンに訴求する『Hyper Scape』。コミックの配布など、ゲーム外での展開も見られる中、はたしてどのようなブランディングを図っていくのだろうか。

*9月の『Hyper Scape』ロードマップ

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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