デベロッパーのCrytekは9月7日、『Crysis Remastered』のPC版について、「Can it Run Crysis?」と呼ばれる特別なグラフィック設定を用意することを明らかにし、その設定を使ったスクリーンショットを初公開した。
『Crysis Remastered』は、2007年に発売されたFPS『Crysis』のリマスター版で、PC版はPS4/Xbox One版と共に9月18日発売予定。リマスターにあたっては、最大8Kの高品質なテクスチャを用意し、レイトレーシング(コンソール版はPS4 Pro/Xbox One Xのみ)やHDRをサポートするほか、新たなライティング技法なども活用しながらビジュアルのアップグレードをおこなっている。またPC版においては、NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)にも対応する。
PC版の動作環境についてはすでに公開されており、最低動作環境はIntel Core i5-3450/AMD Ryzen 3、NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti/AMD Radeon 470、8GBメモリ。推奨動作環境はIntel Core i5-7600k以上/AMD Ryzen 5以上、NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti/AMD Radeon Vega 56、12GBメモリなどとなっている。
この推奨動作環境がターゲットとしているクオリティは4K解像度である以外は不明だが、意外に要件が低いと映ったPCゲーマーが多かったようだ。メディアからも「君のPCを溶かすことにはならない(PC Gamer)」「Crytekは長年続いたジョークを終わらせるのか(HotHardware)」などの反応が出ていた。
その“長年続いたジョーク”というのが、今回発表されたグラフィック設定の名称にも使われた「Can it Run Crysis?」だ。オリジナル版である『Crysis』のPC版では、非常にクオリティの高いビジュアルを実現する一方で、最高の品質を引き出す動作環境の要件も当時としては非常に高かった。そうした背景から、「君のPCは『Crysis』が動くのか?」というフレーズがどこからか飛び出し、やがて高性能をうたうハードウェアを揶揄したり、別のゲームに置き換えて使うなどミーム化していくこととなる。
PC版『Crysis Remastered』の「Can it Run Crysis?」モードでは、無制限のグラフィック設定にアクセスできるという。具体的な内容については明かされていないが、ハードウェアの能力のすべてを要求するモードになるとのこと。より高性能なPC環境を持つユーザーには、それに見合ったビジュアルを提供するということなのだろう。長年使われてきたジョークを過去のものにはしないという、本家の意地もあったのかもしれない。
もっとも、今回公開されたスクリーンショットに対するファンの反応はさまざま。そのビジュアルに興奮を示す人もいれば、オリジナル版と比較して彩度が高いことなどアート面での本作の方向性に不満を述べたり、今となっては驚くほどではないという冷めたコメントも見られる。「Can it Run Crysis?」モードの設定次第では、そうしたネガティブな印象をも覆せるかどうか注目となりそうだ。
『Crysis Remastered』は、PC(Epic Gamesストア)/PS4/Xbox One版向けに9月18日発売予定。Nintendo Switch版は販売中である。