『ポケモンGO』のメガシンカにおける仕様調整。課金圧が強すぎるとの批判を受けて

 

位置情報ゲームアプリ『Pokémon GO』(以下、ポケモンGO)を運営するNianticは9月4日、「メガシンカ」についてのアップデートをおこなったことを報告した。内容としては以下の2点となっている。

・ポケモンが2回目以降に「メガシンカ」するときに必要な「メガエナジー」が減少。
・「メガレイド」で受け取る「メガエナジー」が増加。

メガシンカは『ポケットモンスター』シリーズに存在する要素であり、『ポケモンGO』においては今年8月末に導入された。同じく新たに導入されたメガエナジーを使うことで、特定のポケモンを進化を超えた進化をさせることができるというもの。その特別な状態を保てるのは4時間だけだが、レイドバトルにて同じタイプのわざを持つポケモンが強化されるほか、相棒ポケモンにしたりGOスナップショットを撮ったりといったことも可能だ。また、メガシンカしたポケモンの情報を記録しておける専用の図鑑も用意されている。

この新要素の導入はシリーズのファンから歓迎されたものの、その仕様については一部で不満が噴出することに。メガシンカをおこなうために必要な各種コストが高く、結果的にユーザーにレイドパスへの課金を促しているのではと捉えられたのだ。

メガシンカに必要なメガエナジーは、メガシンカしたポケモンが登場するレイドバトルであるメガレイドに、レイドパスを消費して参加することで入手可能。そして、レイドボスを倒したクリア時間が早いほど多く獲得できる仕組みである。最速でクリアできれば50ほど、最遅なら30ほど獲得できるとされており、メガシンカを1回おこなうには200ほど必要(初回)。つまり最低でも4回、多ければ7回メガレイドをこなさなければならない計算だ(Engadget)。しかも、メガシンカした状態でいられるのはわずかな時間だけである。

同じポケモンを再度メガシンカさせる場合にはコストが大幅に引き下げられるが、初回の必要メガエナジー量が多く、また時間の制限もあることから、コミュニティからは作業量(あるいは課金量)に見合わないなどの不満の声がNianticに寄せられていた。そして同社は、メガシンカに関する意見には耳を傾けているとコメントを発表。Redditにおいても、コミュニティの懸念については議論しているところであり、いくつかの仕様変更を計画中であることを明かしていた。

そうして今回、冒頭にあるようなアップデートが実施された。特にメガレイドで入手できるメガエナジーの量は大幅に増加しており、最遅クリアでも以前の最速に近い量を入手できる変更となった。また、今後の実装を計画している要素として、相棒ポケモンと一緒に歩くとメガエナジーを獲得できるなど、メガレイド以外でもメガエナジーを入手できる機会を設けるとしている。メガシンカしたポケモンと同じタイプのポケモンを捕まえた際に獲得できるアメの数についても増やす方向で開発を進めているそうだ。

今回の仕様変更に至るまでの経緯からは、Nianticがコミュニティの意見を吸い上げて素早く対応した印象である。9月1日から28日にかけてはメガシンカをテーマにした各種イベントを実施していく計画であるため、プレイヤーにどのように受け止められているのか敏感になっていたのかもしれない。同社は、メガシンカやメガレイドに関する意見はどんどん寄せてほしいと呼びかけている。