【UPDATE 2020/08/28 20:12】
「姉妹」という表現により誤解を招くことから、タイトル・本文の表現を修正。
【原文 2020/08/28 20:00】
Xbox Game Studios/DONTNOD Entertainmentは8月28日、『Tell Me Why』チャプター1「ホームカミング」の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)およびXbox One(Xbox Game Passも対象)。日本語字幕に対応し、Steamでは税込3132円、Microsoft Storeでは税込3100で販売されている。
同作は『ライフ イズ ストレンジ』で知られるDONTNOD Entertainmentが開発した、3チャプター構成のミステリーアドベンチャーゲーム。不思議な力を宿した双子が、小さな田舎町にて、母の死を巡る謎に迫っていく。
本作の主人公は、一卵性の双子であるタイラーとアリソン・ローナン。二人は、幼少期に起きた母の死を巡る悲劇をきっかけに、10年間離ればなれに暮らしていた。そして大人になった二人は、実家を売るため故郷にて久々の再会を果たす。アラスカ州にある小さな田舎町デロス・クロッシング。そこで二人は、幼少期の記憶や、亡くなった母の遺品を探っていくうちに、母親について誤った理解をしていた可能性があることに気づく。亡くなる前の数か月間、母の言動は不安定になっていた。その理由は、タイラーの性自認について母が反発していたからだと、二人は考えていた。だが、どうもそうとは思えない新事実が明らかに。では一体何が母を狂わせたのか。タイラーとアリソンは、母を知る知人たちへの聞き込みを開始する。
タイラーとアリソンは、思考や記憶を共有できるという不思議な力を有している。テレパシーのように遠距離で会話したり、記憶を具現化して一緒に追体験したり。そうした超能力のような強い絆が、本作の物語およびゲームプレイにおいてカギを握っている。子供のころの記憶というのは、時に曖昧なもの。一緒に経験したことでも、細部の記憶が異なっている場合がある。認識を揃えた上で調査を進めるためにも、どちらの記憶を信じるのか選択が迫られることも。選択の結果は双子の関係に影響を及ぼし、二人の絆の強さ、そして未来を左右していく。
今回配信されたチャプター1では、タイラーとアリソンが再会して実家に戻るところから、町の雑貨店や警察署を訪れて主要なキャラクターと出会うところまでが描かれる。まず久しぶりに再会した二人は、思考や記憶の共有という不思議な力の存在を確認。幼少期の記憶を追体験しつつ、子供のころ大切にしていた「ゴブリンの本」とタイラーの日記を探すため、凍りついた湖に面する実家内を探索する。ゴブリンの本は、幼いころの双子と母メリーアンが共同で書いた短編集。実家を飛び出し、森奥の小屋に住み着くようになった王女と、小屋の床下にすむ2体のいたずらゴブリン、そして森の動物たちが登場する、寓話的なショートストーリーがまとめられている。
ゴブリンの本には20もの物語が収録されており、さっと読み通すだけでもそれなりのボリューム。単なる読み物アイテムではなく、本作に登場するキャラクターたちの関係性を紐解く補助アイテムのような役割を果たしている。わかりやすくいえば、2体のいたずらゴブリンはタイラーとアリソンを指している。では森の動物たちは誰をイメージして書かれたものなのか。そうした考察は、本作の人物理解にもつながってくるだろう。またゴブリンの本での描写と照らし合わせることで解くパズルも用意されている。
2人の親密なキャラクター間の関係性を深掘りつつ、小さな田舎町の住民と交流。現実社会が抱えるシリアスな問題に触れつつ、主人公の不思議な力を活かして謎多き事件の真相を追うミステリーアドベンチャー。これはDONTNOD Entertainmentが得意とするフォーマット。そこに新たな挑戦として、本作ではトランスジェンダー描写に真っ向から挑んでいる。
主人公のタイラーは、トランスジェンダーの男性。そんなタイラーを適切に描くべく、識者による協力を得ながら開発が進められた。FAQにてトランスジェンダー描写に関する項目を多数含んでいるように、細心の注意を払って制作されたことがうかがえる。なおタイラー役の声優August Aiden氏も、トランスジェンダーの男性である。
ミステリーアドベンチャー『Tell Me Why』はPC(Microsoft Store/Steam)およびXbox One向けに、チャプター1が配信中。チャプター2~3の配信開始時期は、こちらのカウントダウンページにて確認できる。