『ストリートファイターV』非公式大会にて、コメンテーターが「おなら音」を連発。選手の遺憾に対し、主催者が公式に謝罪

ユーザー主催の『ストリートファイターV』大会において、コメンテーターの悪ふざけを主催者が謝罪する一幕があった。試合の間じゅう、コメンテーターはずっと「放屁音」を鳴らし続けていたのだ。

ユーザー主催の『ストリートファイターV』大会において、コメンテーターの悪ふざけを主催者が謝罪する一幕があった。Kotakuなどが報じている。海外掲示板RedditのStreet Fighter板(r/StreetFighter)が開催する『ストリートファイターV』トーナメントはストリーミング配信され、解説とともに中継される。醍醐味はオフィシャルな大会では見られない、おふざけ混じりの愉快な実況だ。自由放任主義な中継はユーザー発ならではのカオスな空気を醸成してきたが、今回ばかりは悪ノリがすぎたと見られる。試合の間じゅう、コメンテーターはずっと「放屁音」を鳴らし続けていたのだ。

事件が起きたのは8月25日のトーナメント決勝戦だ。試合カードはDee Ancer氏とFGC Jesus氏で、いずれのプレイヤーもキャラクターはF.A.N.Gを選択。『ストリートファイターV』から追加され、ひょうきんな動きから繰り出す毒攻撃が凶悪なファイターだ。長いリーチを誇るため、両者とも間合いを読みながらの長期戦となることが予想された。


しかし、これを面白く思わなかった者もいた。ストリーミングを担うコメンテーターらである。有り体にいってしまえば、配信映えしないのだ。Redditトーナメント実況者の“クセのある”態度は、以前から認知されていた。彼らは、自分たちの興が乗る対戦が見られないとおふざけに走る傾向があったのだ。特にその色が顕著となるのは、接近戦よりも遠距離攻撃とヒットアンドアウェーを基調とする戦術がとられた場合だ。こうした試合はじりじりとした削りあいになり、番組としてはいまひとつ見せ場が足りない。F.A.N.Gの場合も毒による削りや遠隔攻撃での牽制がメインとなり、派手なマッチにはなりづらいカードではあった。そこでコメンテーターはキャッチーな笑いを取りに走ったようだ。試合の間じゅう、バトルの解説ではなく「おなら」の音を鳴らし続けることで番組をポップにしようと試みたのである。


試合はDee Ancer氏の勝利で幕を閉じた。しかし動きがあったのはそれからだ。敗れたFGC Jesus氏が自身のTwitterにて、「もうReddit主催の大会には出場しない」と宣言したのである。同氏は試合中、放送が非常に注意を妨げ、不快なものだったためにコメンタリーをオフにせざるをえなかったことを伝えた。他のいずれの出場者と同じく懸命にトーナメントに取り組み、最終戦まで勝ち残ったことを誇りに思っている以上、このような扱いを受けることは極めて不本意だと語る。FGC Jesus氏は、Reddit大会側が放送を面白おかしくしようと努めたことを認めつつも、自身の気持ちが傷つけられたことを改めて強調している。

このツイートののち、大会の責任者であるJoe Munday氏はすぐさま引用RTにて謝罪をおくった。配信中のオーディオで行き過ぎたおふざけをしたのはすべて自身の責任であると認め、FGC Jesus氏・Dee Ancer氏のいずれもこうした扱いを受けるべきではないと謝意を表明している。その後FGC Jesus氏はふたたびツイートを投稿。関係者全員から公的・私的に謝罪を受け取っており、同氏の大会に対する感情は回復したという。

番組としての盛り上がりを優先するあまり、選手のメンタリティを傷つける結果となってしまった今回の一件。体制を改善し、草の根トーナメントの盛り上がりを今後も維持してほしいところだ。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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