『Baldur’s Gate 3』Steam早期アクセス配信は9月30日開始。『Divinity』シリーズ開発陣にとって「もっとも野心的なRPG」に

『Baldur’s Gate 3』Steam早期アクセス配信は9月30日開始。『Divinity』シリーズ開発陣にとって「もっとも野心的なRPG」に。

『Divinity』シリーズで知られるゲームスタジオLarian Studiosは8月19日、『Baldur’s Gate 3』のSteam早期アクセス配信を9月30日に開始することを発表した。海外ではStadiaでも配信。もともとは8月中のリリースを予定していたが(関連記事)、計画にやや遅れが生じることとなった。早期アクセス配信の開始時点では、開発中の第1章をプレイ可能。およそ25時間相当のコンテンツが収録される。日本語は非対応。

*8月19日に放送された「Panel From Hell」。冒頭のシネマティック映像は、キャラクターたちが脳にTadpoleを植え付けられるシーンから始まる。26:40~からは、開発陣の思い付きにより最近できたばかりだという、脳みそクリーチャー「Intellect Devourer」との交流シーンが確認できる

開発者による「Panel From Hell」放送では、クリエイティブ・ディレクターのSwen Vincke氏が、同社の『Divinity: Original Sin 2』と比較する形で、早期アクセス段階でのコンテンツ量を示していた。『Divinity: Original Sin 2』と『Baldur’s Gate 3』、早期アクセス時点での戦闘数は前者が22であったのに対し、後者は80と3.6倍。ダイアログ(英語)は前者が17600行、後者が45980行と2.6倍。登場キャラクター数は前者が142体、後者が596体と4.2倍。魔法/アクションの数は前者が69、後者が146と2.1倍になっている。早期アクセス開始時点でのレベル上限は4。サブクラスも選択できる。

『Baldur’s Gate 3』は、ファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第5版ルールをベースにしたRPG。Larian Studiosの最新ゲームエンジンDivinity 4.0を採用しており、今年2月には合計350人体制で開発されていると報じられていた(GamesIndustry.biz)。同社の『Divinity: Original Sin 2』を超える探索・実験の自由度およびリプレイ性の高さが目指されており、パフォーマンスキャプチャーを用いたシネマティックなカットシーンや会話シーンなど、映像表現もリッチになっている。

物語の時系列としては、前作から100年後、そして2019年8月に刊行された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第5版の「Baldur’s Gate: Descent Into Avenues」モジュールでの出来事の後となる。舞台はシリーズおなじみのフォーゴトン・レルム。精神を操るマインド・フレイヤーの手によって、脳に幼生(Tadpole)を植えつけられた主人公は、不思議な力を宿すことに。だが放っておけばTadpoleに脳を食われてマインド・フレイヤーに変成してしまう。そうなる前に取り除く方法を探さねばならない。そうした共通の目的を有する者たちが集い、協力しあっていく。


戦闘システムは、過去作の「ポーズありのリアルタイム制」ではなく、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第5版ルールに基づいたターン制を採用。戦闘外ではリアルタイムで動けるが(任意でターン制に切り替え可能)、戦闘中はターン制で展開。ただ、キャラクター単位のターン制ではなく、味方パーティーのターン、敵パーティーのターンの2者にまとめられている。味方ターン中には、どの順番でキャラクターを動かしてもよい。戦場は高低差のある空間が多く、チーム連携と地形を活かしつつのバトルが味わえる。『Divinity』シリーズで評価された部分を取り入れつつ、演出面、ゲームシステム面での新たな試みに挑戦している。

同作はソロプレイと最大4人までのCo-opに対応。Co-opに関しては最初からではなく、早期アクセスの途中で追加されるとのこと。早期アクセス時点では6種類のクラスを実装(ファイター、ウィザード、ローグ、レンジャー、クレリック、ウォーロック)。また名前やバックストーリーが決まっており、固有の会話オプションが発生する「オリジン・キャラクター」も5体登場。Wyll(人間、ウォーロック)、Shadowheart(ハーフエルフ、クレリック)、Lae’zel(ギスヤンキ、ファイター)、Gale(人間、ウィザード)、Astarion(ハイエルフのヴァンパイア・スポーン、ローグ)だ。主人公として選択しなかったオリジン・キャラクターは、NPCとして登場し、仲間にできる。パーティーとして組めるのは4人で、「野営地」でのパーティー入れ替え機能もあり。ロマンス要素もあり。
【UPDATE 2020/08/19 15:10】Co-op対応について加筆。

『Baldur’s Gate 3』のSteam早期アクセス期間は最低1年を予定。配信開始時に遊べるのは第1章のみで、第2章と第3章は未実装。アップデートにより新しいクラスや種族が追加されていく。Larian Studiosにとって「もっとも野心的なRPG」として作られており、早期アクセス時と正式リリース時で販売価格を変更する予定はないとのことだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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