『Apex Legends』のシーズン6「Boosted」が8月18日に開幕した。だが開始早々、深刻なバグが報告されている。同シーズンでは、新要素となるクラフトシステムや新武器、マップ改変など見逃せない要素は多いが、やはり花形は新レジェンドのランパートだろう。アルティメットを発動することで愛用のミニガン、シーラを設置。最大3台まで配置することにより、圧倒的な弾幕を張ることが可能だ。一方、この必殺技と合わせて威力を発揮するのが戦術アビリティ「増幅バリケード」の存在。発動することで、防護壁が備わった特殊なシールドを設置することができる。外側からの弾丸を弾き返す一方、内側からの射撃は威力を増大して貫通させる性質があり、こちらは5枚まで建てることができる。ところが、この増幅バリケードに致命的なバグが報告されている。バリケードを撃つと、プレイヤーがエラー落ちしてしまうというのである。
報告されているバグの発動条件は2通りだ。ひとつは増幅バリケードの透明なバリア部分を破壊することでクラッシュしてしまうというもの。もうひとつは、増幅バリケードを内側から「縦に2枚重ねた状態」で撃つことでゲームが落ちてしまうというものだ。エラー落ちしたプレイヤーはその場に凍りついた状態になり、格好の標的となる。バリケードは味方を守る以上に、敵・味方のゲームそのものを破壊する超攻撃型のアビリティと化してしまっているのだ。
今回のバグで不憫なのは、シーズン6にて強化が入ったクリプトである。実は彼のアルティメットでランパートのバリケード上部を破壊することが可能となっており、新レジェンド対策として活躍しうるポテンシャルが与えられていた。ところが例のエラー落ちバグはEMPで壁を破壊した際にも再現する。うっかりバリケードを割ってしまうと、遠隔でクリプトが氷漬けになってしまう致死的状況に陥るのだ。したがってドローンを飛ばす際には常にランパートの障壁がないか確認しながらの運用が不可欠となり、かなり動きにくい状態となっている。おまけにクリプトのEMPそのものがクラッシュを引き起こす事例も報告されており、事態は深刻といえる。
現状では「ランパートがいる相手チームは遠距離から射撃しない」という対策が鉄則となっている。ちなみにバリケードのバグが発生するのは上部のバリア部分を撃ち抜いたときだけで、下部の鉄製本体を破壊すればエラー落ちすることなく壁を取り除くことができる。ランパートがいるスクワッド同士では「いかに相手に撃たせてエラー落ちさせるか」といった駆け引きが展開され、思わぬ心理戦要素が取り入れられることとなった。一部では「ランパートのエラー落ちはオートエイムでバリケードを撃ってくるチーター対策ではないか」との冗談まで噂される始末だ。
なおバグが報告されているのはPC版が主で、PlayStation 4での再現例はあまり見られないようだ。ゲームシステムの根幹を揺るがしかねない重大なバグだけに、早急な対策が望まれるところ。万全な体制でシーズン6を楽しめる状況になることを祈りたい。
【UPDATE 2020/08/19 20:50】
Respawn Entertainmentのシニア・デザイナーが、エラー落ちバグの発生理由を説明。同社が開発した初代『タイタンフォール』にまで遡るという、驚きの説明があった(詳細はこちらの記事記載)。同不具合の修正パッチは近日中に配信される予定だ。