『ハイパースケープ』PC版とは違い、PS4版はガトリングガンが強武器扱いに。コントローラー感度・加速度の問題も要因のひとつか

『ハイパースケープ』PC版とは違い、PS4版はガトリングガンが強武器扱いに。コントローラー感度・加速度の問題も要因のひとつか。『ハイパースケープ』はPC/PS4/Xbox One向けに配信中の基本プレイ無料バトルロイヤルFPS。

Ubisoftの基本プレイ無料バトルロイヤルFPS『Hyper Scape(ハイパースケープ)』のシーズン1が8月11日に開幕した。PCだけでなくPS4/Xbox One向けにも配信されたことで、より多くのプレイヤーが遊べるようになった。そしてPC版とコンソール版の両方をプレイしていると、使用されている武器の傾向が異なることに気づく。コンソール版では、自動ガトリングガンの「ヘックスファイア」を使用しているプレイヤーが極めて多いのだ。これはPC版では見られない光景。海外フォーラムのRedditでも、コンソール版の状況を示す以下のような投稿が確認できる。

PC版の『ハイパースケープ』では、7月のテクニカルテスト時にはヘックスファイアが多用されていたが、のちに下方修正を受けて使用頻度が低下。今ではそれほどメジャーな武器ではなくなっている。またベータテスト初期には、コモドやサルボEPLといった爆破系武器の使用者だらけになるという事態が発生していた。こちらも弱体化を受け、一部武器の使用率が極端に高いという状況が緩和されていった。

では、8月11日にデビューを飾ったPS4/Xbox One版はどうなのかというと、先述したとおりヘックスファイアの人気が非常に高くなっている。1発あたりの与ダメージは低いものの(4/4/4/4/5)、装弾数は初期状態でも150発。最大融合時には270発まで連射できる。リコイルを気にすることなく、動きまわりながら持続的に弾をばらまき、相手にプレッシャーをかけられる。マウス操作よりもエイムがしづらくなるコントローラー操作時には扱いやすい武器だ。

他の武器と比べて使いやすい、コンソール版のヘックスファイア。海外フォーラムでも、弱体化を望む声は多い。その一部にはUbisoftも反応しており、「どのプラットフォームで遊んでいますか?そういった感想はコンソール版のプレイヤーからいただくことが多いです」とコメント。PC版では目立たないヘックスファイアが、コンソール版ではコントローラー操作との相性の良さもあって、強武器へと押し上げられているようだ。ただ、ヘックスファイアが使用される理由には、現状のエイム設定では他の武器を扱いづらいという事情もあるかと思われる。

上の例のように、コンソール版ではコントローラーの感度設定に問題があるとの報告が多数挙げられている。厳密には感度というより、右スティック操作による視点移動の加速度が不安定だという問題である。本作では右スティックを倒せば倒すほど、視点移動の加速度が増す。その加速をコントロールしづらいのだ。右スティックを倒しきってもそこまで速度が変わらないこともあれば、いきなり急加速することもある。それが照準の合わせにくさに繋がっている。

コンソール版にはエイムアシストのオプションが存在し、敵に照準が合っている間は加速が抑えられるのだが、照準が外れるとまた極端な反応曲線に悩まされる。そのため加速度の影響を受けにくい感度設定を模索・共有するプレイヤーも出てきた。たとえばRedditユーザーのChriswalken氏xDefimate氏は、垂直感度を10、水平感度およびADS感度を20台にまで落とすことを提案している。ここまで感度を落とせば加速度の影響を受けにくくなり、視点移動が安定する。ただ、高い感度設定で遊びたいプレイヤーにとっては、最適な環境とは言えない。


こうした指摘があることはUbisoftも認識しており、関連するスレッドにコメントを残していっている。先述したxDefimate氏の投稿にも、「コンソール版のFOV、ボタンマッピング、感度設定/エイムの加速度、エイムアシストなどについては、たくさんのフィードバックをいただいています。プレイヤー全員のプレイ体験を良くするためにも、これらすべてについて状況を観測しております。ご意見ありがとうございます」とのレスポンスが付いている。

コンソール版『ハイパースケープ』の配信は始まったばかり。コントローラー操作や、使用武器がヘックスファイアに偏りがちな状況の改善が図られれば、より多様な戦術が生まれてくることだろう。なおシーズン1の開幕にあわせて、マップのどこかに「メモリーシャード」というアイテムが出現するようになった。集めると同作の物語に関わるテキストを読めるようになる。メモリーシャードは毎週新しいものが登場するということで、気になる方はマップ上でグリッチが発生している箇所など、怪しい場所を探していこう。

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Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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