国内の個人ゲーム開発者doekuramori氏は7月27日、『The Citadel』の体験版をSteamにて配信開始した。体験版はもともとクリエイター支援サイトCi-enにて配布されていたもの。7月には日本語と英語の切り替えオプションやキーバインド(キーの割り当て変更)機能が追加され、遊びやすくなっている。製品版は8月5日に発売される予定だ。
『The Citadel』は、『Doom』や『Wolfenstein 3D』『Marathon』といったオールドスクールなFPSから影響を受けた、2.5DのシングルプレイFPS。主人公は巨大要塞(=シタデル)の最奧部に眠る偽りの神を倒すべく戦う殉職者。七天使を解放し、眠れる神を滅ぼすのだ。90年代FPSのフォーマットを踏襲しつつも、現代的なアレンジを加えている点が本作の特徴である。
狭い屋内中心のマップを探索し、カードキーを拾い、隠し部屋を探しつつ、ステージの出口へと向かう。その流れ自体は90年代FPSから影響を受けた作品として極めてオーソドックスなのだが、現代FPSと同様にXY軸の照準移動が可能で、敵味方の銃弾はヒットスキャン(即着弾)ではなくプロジェクタイル(弾速のある弾)。銃器のADS、リロード、ダブルジャンプ、オプションとして左右へのリーン動作、武器の弾詰まり(ジャム)、敵をノックバックする蹴りなど、現代FPSの想像力を投入したオールドスクールFPSとなっている。
またキャラクターの造形がアニメテイストであるのも、本作を際立てている。機械体少女Lysanderや、かわいらしい商人のTycho。蹴りをいれたときにちらりと見える主人公の太もも。敵を倒したときに残る少女兵たちの四肢や臓物、苦しみの表情を浮かべ切断された頭部。近年では90年代FPSのリバイバルがSteamを中心に盛んであり、その多くは西洋圏の表現から成り立っている。『The Citadel』は西洋FPSの文脈に寄り添いながらも、日本的想像力を持ち込んでいる点で、90年代風FPSの中でも一味違ったテイストになっている。
主人公には体力・スタミナ・満腹度の概念があり、血液袋で体力を回復、O2キャニスターでスタミナを即時回復、食料で空腹度を回復することができる。スタミナはダッシュしたり、ジャンプしたり、近接武器を振り回したりといったアクションを起こすことで消費。時間経過かO2キャニスターの使用により回復する。満腹度が減ると、同じ分だけ体力とスタミナの最大値が低下。腹が減っては戦はできぬのだ。
武器は斧、マグナム、オートライフル、ショットガン、チェインガン、SMG、ロケットランチャーなど。それぞれにセカンダリーファイア(サブ攻撃)があり、たとえばマグナムであれば、通常弾とは別途、グレネード弾を発射できる。武器には耐久度があり、使い続けていると耐久度が落ちていく。また各武器は改造および上位武器との交換が可能だ。ステージ数は30。6つのエピソードに分かれており、6体のボスと戦うことになる。なお体験版では、最初の部屋でどの道に進んでいくかによって、難易度が変わる。左側(信念の道)がイージー、右側(献身の道)がノーマル、上段(熱狂の道)がハードとなっている。
『The Citadel』の体験版はSteamまたはCi-enよりダウンロード可能。製品版は8月5日発売予定だ。