チェスを「並行世界&タイムトラベルあり」ルールで遊ぶ『5D Chess With Multiverse Time Travel』Steam配信中。別世界線の相手をチェックメイト

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ゲームデベロッパーのConor Petersen氏および同氏が運営するThunkspace, LLCは7月22日、『5D Chess With Multiverse Time Travel』をSteam/Humble Bundleにてリリースした。Steamでの通常価格は1220円で、7月29日までは20%オフの976円で購入可能。Humble Bundleでは11.99ドルで販売されている。

同作は世界線移動とタイムトラベルありのルールでチェスを遊ぶゲームだ。並行世界やタイムトラベル系のコンテンツが好きな方は多いだろう。それらとチェスを組み合わせれば、チェスがもっと面白くなるに違いない。そんなロマン溢れる壮大な変則ルールを形にしたのが、『5D Chess With Multiverse Time Travel』である。


『5D Chess With Multiverse Time Travel』というタイトルが示すとおり、3次元空間、時間、並行世界からなる5D世界にて、マルチバース・タイムトラベルありのルールでチェスを遊べる。普通のチェスとは違って、チェスの駒を過去の盤に送り込むことが可能。ただしタイムパラドックスを防ぐような作りになっており、すでに次の一手が定まっている過去に移動しようとすると、未来が改変されないように新しい世界線が生み出される。今いる世界線の現在からチェスの駒が消え、その駒が新しい世界線に現れる。まだ次の一手が決まっていない世界線に移動した場合は、未来がまだ確定していないため、世界線の分岐は発生しない。

並行世界の仕組み上、現在の盤にいるキングよりも、過去の盤にいるキングの方が、チェックメイトに追い込みやすい。過去の盤にいるキングは自らの居場所を変えることができず、未来からの使者を止めようと他の駒が妨害してくることもないからだ。なお片方のプレイヤーが新しい世界線をひとつ生み出す前に、もう片方のプレイヤーが新しい世界線を2つ生み出した場合、2つ目の世界線は休止状態となり、「現在」に影響を及ぼさない。分岐しすぎると、窮地から抜け出すためのタイムトラベルが不可能となるため、うかつに並行世界を量産してはいけない。


本作における「現在」とは、「まだ次の一手が定まっていない世界線群のうち、もっとも時系列の古い盤がある時間/ターン」を指す。「現在」はタイムトラベルによって何度でも変わり得る。自分のターンを終わらせるには、「現在」稼働している世界線のすべてを次のターンに進めなければならない。チェックメイトになった「現在」から抜け出す術を失った場合、敗北となる。チェックメイトの運命から逃れるため過去に戻り、別の世界線を巡るのだ。駒の種類によってタイムトラベル時の挙動が異なるため(2次元空間での動き方ではなくなるため)、時間軸や並行世界を活かした戦略を立てるには、5Dチェスの仕組み自体の理解が不可欠。仕組みを解読すること自体が、ひとつのパズルになっていると言っても過言ではない。

おそらく、チェスを並行世界&タイムトラベルありのルールで遊ぶと言われても、はっきりとイメージが湧くプレイヤーは少ないかと思われる。ゲーム内にルール説明のページがあるものの(英語のみ)、時空が関わってくるだけに文章だけでは理解が難しい。まずは練習モード、CPU戦、パズルモードを遊んでみて、ルールを掴んでから対人戦に挑む方がよいだろう。Steamのガイドページには、ルールおよびパズルのユーザー製ガイドが掲載されており、そちらもゲーム理解の手引きとなるかもしれない。たとえばHakureiSmugfest氏によるガイドは、駒の動きや並行世界の仕組みを画像付きで説明している。なおCPU戦・対人戦は、駒落とし、駒数増加、盤のサイズ変更といった条件調整が可能だ。さらに対人戦にはパブリック、カスタム、プライベートの3種類のモードが用意されている。


具体例を出さないと理解が難しいと思われるため、最後にゲーム内のパズルを使って解説していく。以下では34個あるパズルのうち、初心者向けの4個のみ解法を示している。自力で解きたい方は読み進めるのを止め、Steam/Humble Bundleからゲームを購入しよう。


まずは初級パズル「Rook Tactics I」より。下の世界線にて2つの白ルークに追い詰められチェックメイト状態となった黒側は、キングをチェックメイト前のターンに逃がす。すると黒キングが2つ存在する別世界線が生まれる。そこで白は再度ルークを動かして、キングをもう一度チェックメイト状態に追い込む。黒キングは過去に戻ろうにも、片方のキングが逃げても、もう片方のキングがチェックメイト状態のまま残るため、有効な一手を切り出せず詰みとなる。別の世界線に逃げようとする相手を追い詰めるパターンだ。


続いてパズル「Rook Tactics II」。黒側は、画面下の世界線にて窮地に瀕したキングを、画面上の世界線に逃した。これにより下の世界線は黒キング不在となる。だが白側は下の世界線にあるルークを、E1(盤の右下)からE4に移動させることで、上の世界線にいる黒キングをチェックメイト状態にできる。E4は黒キングが逃げ込んだ先のマスであり、世界線移動により白ルークが黒キングを取れる状態に至るからだ。別の世界線にいながら相手を追い込むパターンである。


パズル「Rook Tactics III」では、白ルークをE1(右下)からE5(右上)に移動させるとチェックメイトとなる。そこはかつて黒キングがいた場所であり、E5に移動した白ルークが、時間を遡ることで黒キングを取り得る状態に至るからだ。過去の駒は自らの行動を変えられない。よって過去の黒キングはE5にやってくる未来の白ルークから逃れられない。未来から過去の敵を攻めるのだ。


パズル「Rook Tactics IV」では、上の世界線で白のキングが追い詰められている。仮にB5の白キングをC5に動かして黒ルークを取りにいっても、下の世界線にいるC5の黒ルークが世界線移動により、上の世界線のC5に移動してきた白キングを取れてしまうからだ。

なぜルークの仕様説明が、一番最初の初心者向けパズルとして出されているかというと、時空移動パターンをもっともイメージしやすいからだろう。ルークは通常の2次元空間であれば、他の駒に止められない限り、左右上下にまっすぐ好きなだけ進められる。5D世界では、同世界線の過去もしくは別世界線の現在に向かってまっすぐ好きなだけ進められる。盤をZ軸に立ててみると映像化しやすいと思うが、盤から盤にまっすぐ移動しているということは、移動した先の盤でも、同じマスに残るということである。2次元ではなく3次元の空間+時間+並行世界の5Dチェスと呼ばれる理由も、チュートリアルの役割を担うパズルを通じて実感できることだろう。

【UPDATE 2020/07/29 0:45】
時空移動に関する上段落を追加

Image Credit: Thunkspace, LLC/HakureiSmugfest

このように、同時間・別世界線、別時間・同世界線の相手を倒せるのが5Dチェスの醍醐味だ。複数の世界線、そしてタイムトラベルの可能性を考慮して戦略を立てていかねばならない。新次元のチェスでロマンを感じたい方は、ぜひ『5D Chess With Multiverse Time Travel』に挑戦してみてはいかがだろうか。

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