「リアル科学者」によるサイエンスFPS『Maxwell’s Dæmons』が開発されている。ミクロの世界で分子と戦う物理化学ゲーム

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イタリアのインディーゲームスタジオBoltzbrainsが、化学FPSアドベンチャー『Maxwell’s Dæmons』を開発中だ。現在Kickstarterにて、支援者を募集している。期間は8月1日午前4時までで、目標額は422万8091円(3万5000ユーロ)。7月13日現在では54万円程度の支援が集まっている。


『Maxwell’s Dæmons』は化学をテーマとしたFPSアドベンチャーだ。3人の物理化学者が開発を手がけている。人類はFreezlinsと呼ばれる奇妙な現象に悩まされていた。ポット・自動車・工場などありとあらゆる物体の温度が急激に低下し、真夏にもかかわらず氷漬けになる事象が多発していたのだ。政府は事実を隠蔽しようとするも、急激な低温化にともなう停電や悪臭など一般社会への影響は表出しており、制御できる限界を超えようとしていた。

科学者たちによれば、こうした怪奇現象を引き起こせるのは「マクスウェルの悪魔」でしかありえないという。マクスウェルの悪魔とは1867年ごろ、スコットランドの物理学者ジェームズ・C・マクスウェルが提唱した架空の存在で、熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)を無視して分子を動かせるとされている。単なる思考実験上の悪魔が本当に存在しているのか? 謎を調査するため、極秘の縮小技術でミクロ化したプレイヤーは原子と分子の世界へ旅立つことになる。


プレイヤーに提供されるのは案内役の人工知能「CJ」、そして探索の役に立つさまざまな化学物質だ。状況によって物質を使い分けることで、道を拓いたり、モノを作ったり、身を守るのに使ったりすることができる。ただしいくつかの重要な物質は支給品から失われているため、周囲の物質を吸収することで装備を整えていこう。プレイヤーは特殊なビューワーを通じ、周りの環境を分析することができる。熱力学的なデータや放射線量・元素構成などが表示され、必要な情報を得ることが可能だ。カラー表示やグレースケール表示など状況によって異なるグラフィックを選べるという。

ナノサイズの世界では化学・物理の法則に従い、さまざまな原子や分子が穏やかに漂っている。しかし、静謐な世界の中でもなぜかこれらの法則に逆らって跋扈するイレギュラーな存在がいる。これこそ科学者たちが「マクスウェルの悪魔」と称する相手であり、本作でプレイヤーが戦うことになる敵だ。モンスターたちはそれぞれが固有の分子で構成されており、戦闘においては敵が何の物質でできているかを見極める必要がある。たとえば炭素原子でできたエネミーには、酸素のビームを浴びせることで焼却することが可能だ。しかし同じ戦法は、シリコンでできた敵には通用しない。数々の物質の性質を正しく理解することが生き残る鍵となるのだ。


開発チームは、イタリア・サルデーニャ島のサッサリ大学に研究室をもっていた学友同士だという。身の回りの現象の裏に潜むミクロの世界がいかに不思議で魅力的かを伝えるべく、本作の制作に着手したそうだ。今後はUnreal Engine専門の技術者を雇い、開発をペースアップして2021年クリスマスごろのリリースを目指したいという。『Maxwell’s Dæmons』は8月1日午前4時までKickstarter支援者を募集中だ。15ドル以上出資することで、ゲームが手に入る。

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