『ファークライ6』正式発表、2021年2月18日発売へ。南国の楽園での混沌の革命描く

 

Ubisoftは7月13日、「Ubisoft Forward」にて『ファークライ6』を発表した。対応プラットフォームはPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X/PC。PS4・Xbox One版は共に次世代プラットフォームへの無料アップデートに対応する。通常版の価格は、税別8400円。開発を手がけるのは、『ファークライ5』を手がけたUbisoft Torontoだ。

舞台となるのは、熱帯の楽園ヤーラ島。ヤーラ島では、アントン・カスティロと呼ばれる男が大統領として君臨している。しかし島は停滞しており、大規模なデモ活動が発生中。アントンはこの状況を好ましく思っていない。息子のディエゴと共に、「楽園」を実現するため暴力的に島を治めようとしている。アントンを盲信する者以外は、力でねじ伏せるつもりなのだ。プレイヤーはヤーラ出身のゲリラ兵ダニー・ロハスとして、自由を求めてアントンたちに立ち向かう。なお主人公のダニー・ロハスについては、男主人公だけでなく女主人公も選択可能だ。


本作のモチーフのひとつとなっているのは、カリブ海にある社会主義国家キューバだという。ヤーラ島は、50年前は非常に豊かな島であったが、その後は“世界から切り離されてしまった”かのように停滞。アントンは、そうした状況にて大統領に選ばれた経緯を持つ。ある種のカンフル剤としての期待をもって、アントンに投票が集まったのかもしれない。一方でアントンは、50年前に父親を処刑された過去を持ち、島に対しては「家族を奪われた」という恨みを持っている(Ubisoft Blog)。

公開されたトレイラーでは、アントンが13歳の息子であるディエゴに手榴弾を握らせながら、為政者としての覚悟を説いている。アントンと父親の関係は、アントンとディエゴの関係にも影響を及ぼしてくるだろう。公式サイトでは、アントン側から見た正義と、主人公ロハス側から見た正義。両サイドからの戦いの正当性が説かれている。単なる勧善懲悪ではない、重厚な物語が描かれそうだ。


アントン役を務めるのは、Giancarlo Esposito氏。Esposito氏は、人気ドラマ「ブレイキング・バッド」で“ガス”ことグスタヴォ・フリング役を好演した人物。知的かつ暴力的な悪役を演じることに定評がある。 Esposito氏は今年になりColliderのインタビューの中で、近々ゲームに出演する予定で、モーションキャプチャーに苦労していることを明かしていた。おそらく『ファークライ6』のことを指していたと思われる。『ファークライ』といえば、悪役が重要なシリーズ。本作でもEsposito氏が悪役として存在感を放つことだろう。また、ディエゴ役については「リメンバー・ミー」の主人公ミゲルを演じたAnthony Gonzalez氏が演じる。

なお本作においては、他シリーズとの関連性があるのではないかと指摘されている。というのも、少年ディエゴの眉部分に傷跡がある。この傷跡が『ファークライ3』の悪役バース・モンテネグロのものと似通っていることから、ディエゴはバースの少年時代の姿であり、本作が『ファークライ3』の前日譚なのではないかと噂されているわけだ。ちなみにバースは南国の島ルークアイランドで生まれたという設定がある。公式には言及されていないので、あくまでファンの予想にすぎないが、こうしたシリーズとの関連を探るのも楽しみひとつである。

『ファークライ6』は、2021年2月18日発売予定。通常版のほかにも、シーズンパスが付属するゴールドエディション(税別1万2000円)と、シーズンパスとアルティメットパスを付属するアルティメット・エディション(税別1万4400円)が発売される予定だ。