トイボックスは7月10日、オープンワールド・ミステリーアドベンチャーゲーム『レッドシーズプロファイル』(英名:Deadly Premonition)の続編『Deadly Premonition 2: A Blessing in Disguise(以下、Deadly Premonition 2 )』を全世界同時発売した。Nintendo Switch向けに、ダウンロード版が税込7480円で配信されている。
『Deadly Premonition 2』は、前作の続編であると同時に前日譚でもある作品。現代編(2019年)と過去編(2005年)に分かれており、現代編ではFBI捜査官アリヤ・デイヴィスが、ボストンにある元FBI捜査官フランシス・ザック・モーガン宅を訪れ、事情聴取をおこなうところから始まる。かつてモーガンが解決済みとして閉じた「ル・カレ連続殺人事件」の、消えた第一被害者の遺体が発見されたことから、モーガンが事件と深く関わっていると踏んだアリヤ。そこからモーガンの回想として、田舎町「ル・カレ」で起きた事件に触れる過去編が描かれる。現代編と過去編を行き来しながら、真相へと近づいていくのだ。
フランシス・ヨーク・モーガンとしてプレイする過去編では、保安官メルヴィン・ウッズの娘である10歳の少女パトリシア・ウッズとともに、米国南部ニューオーリンズの田舎町で起きた殺人事件の捜査にあたる。一見平和そうに見える町でひとりの少女の死体が発見されるも、保管されていたはずの死体が跡形もなく消えたのだ。ヨークは卓越したプロファイリング能力の持ち主だが、場の空気を読まない「忖度なしキャラ」。一方、新たな相棒となるパトリシアは、頭脳明晰、行動力抜群で、大人びた口調でヨークを手玉に取る小さな助手だ。そんな二人が、殺人事件、そして謎のドラッグ「サン・ルージュ」の正体を追っていく。
ル・カレの住民は癖のある者ばかり。ひとりでシェフやベルボーイなど3つの人格を使い分けながら客をもてなすホテルマン、映画トレイラー風の決め台詞を連発する保安官、ボウリングのレーンを独占する謎の老女、裸にテンガロンハットのバーのマスターなど。『Deadly Premonition』らしさ溢れるユーモラスな会話が繰り広げられる。ヨークとザックの対話、食やコーヒーへの変わったこだわり、頻繁に飛び出す映画雑学なども健在。ついゲームを止めて、言及された映画を観にいきたくなるかもしれない。
『Deadly Premonition 2』の開発を担当するのは、トイボックス、White Owls、そしてナウプロダクション。White OwlsのSWERY氏は、今作でも引き続きディレクターおよびシナリオライターとして参加している。以下はSWERY氏による“メッセージ”動画。ボウリング場でひたすらボウリングボールを磨くという、ほのぼのとした映像だ。
なお『Deadly Premonition 2』は現状、フレームレートを代表としたパフォーマンス面に難がある状態。前作のNintendo Switch移植版よりも不安定さが目立つ。ただ開発チームはゲーム改善のために動いているとのことで(当該ツイート)、今後のアップデートで改善される可能性はありそうだ。同作はダウンロード用タイトルとして、Nitendo Switch向けに配信中。
※実際にニューオーリンズを訪れた際の体験談やプチ情報を交えてゲームを紹介する、SWERY氏の特別ライブストリーム映像
また新作の発売にあわせて、前作のNintendo Switch版『Deadly Premonition Origins』が50%オフの税込1740円(通常価格3480円)で販売されている。セール期間は7月26日まで。同作はアメリカ北部の田舎町グリーンベイルで起きた殺人事件を調査する、オープンワールド・ミステリーアドベンチャーゲーム。主人公であるFBI捜査官フランシス・ヨーク・モーガンが、森と湖に囲まれた小さな町に潜む奇妙な真実を解き明かしていく。
自分の中にいるザックという人物に語りかけるモーガン、料理の腕が壊滅的な女性保安官補エミリー。ドクロのようなガスマスクを被り、ターキーにイチゴジャムとシリアルをトッピングした奇天烈なサンドイッチを好む資産家ハリーなど、癖の強い登場人物が揃っている。粗が多い作品ながらも、独特のユーモアや「ツインピークス」を彷彿とさせる世界観、誇張したB級感、感情を揺さぶるストーリー展開などから、唯一無二のゲームとして海外を中心にカルト的ヒット。「世界でもっとも評価が分かれたサバイバルホラーゲーム」としてギネスブック・ゲーマーズエディションに登録された実績を誇る。
『Deadly Premonition』シリーズに興味を抱いた方は、『Deadly Premonition Origins』を試し、どのような作風なのかをチェックしてみるのも手だろう。