スペインのインディースタジオBound Gamesは7月9日、スケボーゲーム『Skapp』の最新トレイラーを公開した。本作は、Sony Interactive Entertainment Spainが主導する、地元スペインのデベロッパーを発掘・支援する「PlayStation Talents」プログラムに選出されており、PS4独占タイトルとして開発中だ。
『Skapp』は、プレイヤーキャラクターが登場せずスケボーだけが表示される、モバイル向けでよく見られるスタイルを採用するスケボーゲーム。大学の敷地内や住宅街、工場のような施設がある路地裏、あるいは家庭の一室など、さまざまな環境がステージとして用意されており、自由に滑りながらオブジェクトなどを利用してトリック(技)を決めていく。ゲームプレイは、EAの『Skate』シリーズやActivisionの『Tony Hawk’s Pro Skater』シリーズから影響を受けながら、新たな要素も導入しているという。
実は本作はPS4向けゲームでありながら、その操作にはDUALSHOCK 4コントローラーを使用しない。代わりに使うのは、プレイヤーが所有するスマホだ。本作専用のアプリ「Skapp Controller」がiOS/Android向けに無料配信され、起動中の本作とアプリを接続することで、スマホ自体がコントローラーになる仕組みである。
今回公開されたトレイラーでは、実際にスマホを使って操作する様子が披露された。スマホの画面にはスケボーのデッキが大きく表示されている。モバイル向けのスケボーゲームであれば、そのデッキの上をタップしたりスワイプしてトリックを繰り出すところだろう。本作では、プッシュして前に進む際にはデッキを軽くタップするが、たとえばオーリーであれば、スマホをクイッと素早く持ち上げることでジャンプできる。これは、スマホに内蔵された加速度計センサーとジャイロスコープセンサーを利用することで実現しているそうだ。
ゲーム内のデッキの向きもスマホの向きに追従するため、オーリーした後にレールやレッジに向かってノーズやテールを前に出せば、そのままグラインドすることが可能。さらに、スマホをクルッと回転させれば、ゲーム内でも同じように回転してキックフリップやショービットを決められる。トレイラーでは、スマホを軽く放るように一瞬手放して回転させており、操作はそれなりにコツがいりそうだ。よく見ると、スマホを落としても大丈夫なようにクッションを下に敷いており、確かにプレイ時にはこうした対策が必須だろう。また、トリックスコアやコンボのシステムが用意されていることも確認できる。
本作では複数のゲームモードをプレイできる予定で、そのひとつにはシングルプレイのストーリーモードが用意される。人の手の姿をした奇妙なキャラクターたちが、人類に対して反旗を翻すという楽しくもシュールな物語が漫画形式で描かれ、そのキャラクターとステージ内で出会い、何らかのチャレンジに挑戦する形になるようだ。ほかのゲームモードについてはまだ公開されていないが、プレイヤーのスキルを試すような内容になるという。
体感コントローラーでプレイするスケボーゲームというと『Tony Hawk: SHRED』などが存在していたが、スマホを利用するというのはユニークなアイデアだ。本作の開発元Bound Gamesは、もともと『Skapp』についてはスマホゲームとして開発しており、当時はスマホ本体をスケボーに見立てて、選択したトリックと同じ動きになるようスマホを回転させて、成功できるかに挑戦するといった内容だった。ここから、スケボーゲームのコントローラーに利用する形に発展させていった模様である。
『Skapp』は、PS4向けにダウンロード専用ゲームとして開発中。配信日は近日中に発表する予定とのこと。現時点では日本でも配信されるのかどうかは不明だが、専用アプリ「Skapp Controller」はすでに国内でも配信中。これを使用して操作できるゲーム本編の方も、国内配信されることを期待したい。