『NBA 2K21』発売日決定、PS5/Xbox Series X版の価格も発表。“フルプライス”の基準変更に繋がるか注目集まる


パブリッシャーの2Kは7月3日、バスケットボールゲーム『NBA 2K21』を9月4日に発売すると発表した。対応プラットフォームは、PC/PlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switchで、PS4/Nintendo Switch版についてはパッケージ版も販売予定。また発売日は未定だが、PlayStation 5/Xbox Series X版もリリース予定で、PS5版はパッケージ版も販売される。

価格は、Nintendo Switch版が6000円、PC/PS4/Xbox One版が7000円、PS5/Xbox Series X版は8000円。これら通常版のほかに、デジタルコンテンツ特典を多数収録する“マンバ フォーエバー”エディションも発売予定で、こちらはNintendo Switch版が1万1800円、そのほかの機種では1万2800円となっている(いずれも税別)。

今回の発表は、大手パブリッシャーが発売するフルプライスタイトルの、次世代コンソール向けの販売価格が初めて明らかになったという点で、海外メディアやゲーマーの関心を集めているようだ。上述したように、『NBA 2K21』のPS4/Xbox One版は7000円のところ、PS5/Xbox Series X版は8000円と1000円アップしている。これは海外でも同様で、59.99ドルと69.99ドルという価格設定である。ゲーム業界では「フルプライス=60ドル」という相場がしばらく定着していたが、今後は70ドル/8000円が新たな基準となるのだろうか。

ゲーム市場調査会社IDG ConsultingのCEO Yoshio Osaki氏は海外メディアGamesIndustry.bizに対し、PS3/Xbox360のローンチ以来、テレビや映画の価格は上昇しているが、ゲームに関しては横ばいが続いていると指摘。一方でゲーム開発費は、作品やメーカーにもよるが200〜300%高騰してきたと述べる。69.99ドルへの値上げは17%アップに過ぎず、これだけで開発コストの上昇をすべてカバーすることは難しいものの、同氏の調査では2Kだけでなくほかのパブリッシャーも次世代コンソール版の価格を引き上げようと検討しているという。

市場調査会社NPD GroupのアナリストMat Piscatella氏は、2005年当時の59.99ドルは今の価値に換算すると79ドル程度に相当するため、そろそろ価格の引き上げがおこなわれても不思議ではないとコメント。同氏としては、前回の世代交代時の2013年に69.99ドルに引き上げておくべきだったと考えているそうだが、当時はモバイルゲームの台頭を受けて据え置かれたという背景があったという。その代わりに、コレクターズエディションやゴールドエディションといった、通常版よりも高額なバージョンが相次いでリリースされるようになっていった。

*市場調査会社Niko PartnersのシニアアナリストDaniel Ahmad氏が、69.99ドルという価格設定についてアンケートを実施。本稿執筆時点ではまだ投票受付中となっているが、高すぎると考えている海外ゲーマーが比較的多いようだ。

現時点では、2Kが『NBA 2K21』のPS5/Xbox Series X版の価格について設定したという段階。同社のほかのタイトルを含め、69.99ドル/8000円が次世代コンソール向けフルプライスタイトルの基準となるのかどうかは、まだなんとも言えない。ただ、大手パブリッシャーである2Kが先陣を切ったことで、追従するメーカーが現れる可能性は十分にあるだろう。


なお、『NBA 2K21』についてはカバーアスリートの全容も今回公開された。PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けの通常版には、ポートランド・トレイルブレイザーズ所属のデイミアン・リラード選手、PS5/Xbox Series X向け通常版には、ニューオーリンズ・ペリカンズ所属のザイオン・ウィリアムソン選手が選出された。そして、“マンバ フォーエバー”エディションでは、今年1月に事故で亡くなった、NBAの元スーパースター選手コービー・ブライアント氏がカバーを飾る。

『NBA 2K21』は、PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに9月4日発売予定。本日7月3に力予約受付を開始する。PS4/Xbox One版の“マンバ フォーエバー”エディションを購入すると、PS5/Xbox Series X版がリリースされた際に無料でアップグレード可能だ。通常版からの無料アップグレードプログラムは用意されない。