デベロッパーのCrytekは7月2日、『Crysis Remastered』の発売を数週間延期すると発表した。本作は、PC/PlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch向けに開発中。本日7月2日には新たなトレイラーを公開し、ゲームプレイ映像を初披露する予定となっていたが、これも延期されている。
『Crysis Remastered』は、2007年に発売されたFPS『Crysis』のリマスター版。Crytekは自社のCRYENGINEを用い、『World War Z』やNintendo Switch版『ウィッチャー3 ワイルドハント』などを手がけたSaber Interactiveと共同開発中だ。
本作にはキャンペーンモードのみが移植され、プレイヤーは北朝鮮軍が占拠する島を舞台に、米軍の特殊部隊兵として考古学調査隊の救出作戦に臨む。スピード・ストレングス・アーマーの強化およびクローク(光学迷彩)が可能なナノスーツと、多彩な武器を駆使して北朝鮮軍や謎のエイリアンと戦うのだ。自然溢れる広大なマップが用意され、自由度の高い戦術的アプローチの実現が特徴となっている。
リマスターにあたっては、高品質なテクスチャや改善されたアートアセット、HDテクスチャパックを用意。さらに、テンポラルアンチエイリアシングやSSDO(Screen Space Directional Occlusion)、SVOGI(Sparse Voxel Octree Global Illumination)、新たなライティング設定やモーションブラー、視差オクルージョンマッピング、パーティクルエフェクト、ソフトウェアベースのレイトレーシングなども活用し、ビジュアルの大幅なアップグレードを実現するとしている。
実は本作においては先日、Microsoft Storeにて先述のゲームプレイトレイラーが誤ってフライング公開されていた(現在は削除済み)。今回の延期発表の中で、Crytekはこのリーク騒ぎについても言及。そのトレイラーを見たファンの反応について、良いものもそうでないものも目にしていると述べている。
トレイラーはYouTubeに転載され、コメント欄では特にPCゲーマーから「オリジナル版から向上していない」「ガッカリしたけど、今回はGPUが死ぬことはないな」「君のPCは『Crysis』が動くのか?といったジョークはもう言えないのか」などの反応が寄せられ、多数の不評が投じられている。オリジナルのPS3/Xbox 360版からすると大きな品質向上が見られるものの、高解像度テクスチャModなどが配布されているPC版と比較すると物足りないグラフィックに映ったようだ。
Crytekは、そうしたファンの意見には耳を傾けているとコメント。そして、『Crysis』シリーズは高品質な作品として期待されているため、発売延期によってできた時間をゲームをさらに磨き上げるために使い、PC版においてもコンソール版においても、ファンの期待に応えると約束した。
ちなみに、海外ニンテンドーeショップでは、本日から『Crysis Remastered』のページが公開されており、Nintendo Switch版のものと思しきスクリーンショットが掲載されている(上の画像)。グラフィックがNintendo Switch向けに最適化されている様子が確認できるが、Crytekはゲームの改善を経てストアページについても今後更新する考えを示しているため、製品版での最終的なクオリティが反映されていない可能性はある。これはMicrosoft Storeに一時掲載されていた、トレイラーやスクリーンショットについても同様だろう。
『Crysis Remastered』は、PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに今年の夏に発売予定。先述したMicrosoft Storeやニンテンドーeショップでは7月23日配信予定と記載されていたが、ここから数週間延期されることとなるのだろう。ゲームプレイトレイラーがあらためて正式公開される際には、配信日が発表されるものと期待される。なお、本作のコンソール版の国内配信については未定だが、海外ニンテンドーeショップによると日本語表示には対応する模様である。