『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』には未使用の「花村陽介の告白音声」が隠されていた。それをもとにした恋愛Mod開発中


アトラスは6月5日、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』をSteam向けにリリースした。PCゲームは、コンソールゲームよりも手軽に内部データを見たり、改造(Mod)を導入したりできることが特徴。そしてこの度、本編では未使用だった「陽介の告白音源」をもとにしたModが開発されているようだ。


『ペルソナ4』では、相棒として獅子奮迅の活躍を見せる花村陽介というキャラクターが登場する。複雑な生い立ちを抱えながらも、他者に対し誠実であろうとする人柄や、人をまとめあげるリーダーシップ、ふざけ好きながらも時に熱い性格。ハイスペック主人公の相棒にふさわしい、ゲームに欠かせないキャラとしてプレイヤーにも愛される存在だ。彼の魔術師コミュでは、ショッピングモールジュネス店長息子であるという背景や、小西先輩への葛藤を介して、彼の人柄や優しさに触れていく。相談や殴り合いをすることで、絆がさらに深まるわけだ。

同コミュでは、基本的には男と男の友情が描かれる。友人が親友になっていく過程が描かれる、と表現するとしっくりくるかもしれない。しかし海外版『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』では、陽介が“告白してくる”未使用音声が存在しているようだ。2014年に発掘された音源の内容は、ざっくりと訳すと以下のとおり:

・自分自身と向き合いたくないがゆえに、殺人事件に集中してばかりいた
・努力しないかぎり、犯人を捕まえたって何も変わらないのに
・みんなと一緒に、全力を尽くしたいんだ
・こんな熱い気持ちを秘めていただなんて、今まで気づかなかった
・行くなよ、好きなんだ

はっきりとしたシチュエーションについては不明であるが、おそらく一連の騒動が終わった後、陽介が告白してくるという流れだろう。会話の流れから考えても、相手は主人公。恥ずかしながらもはっきりと好意を示しており、それが単なる友人関係以上のものであることがわかるだろう。そしてSteam版がリリースされたことで、この陽介との関係を実際にModにてゲーム内に落とし込む動きが出てきている。MadMax1960氏は、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』の魔術師コミュにて、陽介が恋人として接してくるコミュMod「Yosuke Romance」を開発中。以下の動画では、陽介が恥ずかしがりつつ主人公を守りたいと意思表明をし、好意を伝えてくるシーンが確認できる。

主人公と陽介の親密っぷりは、本編をプレイしたユーザーならばご存知だろう。彼らの関係が友情から恋愛に向くという展開は、ある意味では自然。とはいえ、いざ同性愛を描くとなれば丁寧な描写が求められるので、さまざまな点を踏まえて見送られたのかもしれない。
【UPDATE 2020/6/30 17:20】
同ボイスは日本語版でも発掘されていたようだ。

「Yosuke Romance」の開発は、10%完了済み。上の動画についても、同じ音声を繰り返すシーンなども含めて改良していくという。構造としては、コミュランク7より恋愛分岐が発生し、そこから恋愛描写が導入されていく。ランク10(マックス)になることで、陽介から好意を伝えられるという内容になるようだ。Steam版がリリースされたことで、Modコミュニティも活性化。ゲーム内のグラフィック表現を変更する「ReShade Mod」や、戦闘に参加しないメンバーにも数多くの経験値を配る「Inactive Party Member XP Mod」、主人公の部屋の小物を少し新しくする「Modernized Room」などがリリースされている。

Steamでも数多くのプレイヤーに遊ばれる『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』は、ユーザーコンテンツも充実していくことだろう。『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』Steam版は、1980円にて販売中だ。