『ディアブロ IV』開発の進捗を報告する四半期アップデート公開。オープンワールドやストーリーテリングなどについて語られる

Blizzard Entertainmentは6月26日、現在開発中の『ディアブロ IV』について、その進捗状況を伝える四半期アップデートを公開した。オープンワールドやストーリーテリングなどについて語られている。

Blizzard Entertainmentは6月26日、現在開発中の『ディアブロ IV』について、その進捗状況を伝える四半期アップデートを公開した。今回の内容としては、「乾きの平原」と呼ばれる地域における開発マイルストーンを達成し、チームでのプレイテストをおこなった段階でのものとなっている。なお、開発チームは在宅ワークへと完全に移行しているそうだ。

『ディアブロ IV』ではオープンワールドを採用しており、5つの地域で構成されたサンクチュアリが舞台となる。「乾きの平原」はその内のひとつであり、すべての必要要素をその地域に入れ込み、ストーリー・モードを完成すると共に、オープンワールド要素やアイテムのコンセプト、PvP用サブゾーン、ダンジョン、ムービーを仕上げて、この地域のナラティブを完成させることがマイルストーンとなっていたという。そして、開発チームはそれぞれの自宅から丸二日間プレイ。スタッフは普段は特定の要素やエリアを調べるだけのことが多く、チームで同じビルドを同時にプレイする時間を設けたことは、在宅ワークのなかチームとしてふたたび一丸となれる非常に良い機会になったそうだ。

サンクチュアリのオープンワールド化によって、ストーリー・モードに没頭するも良し、ひと休みして探索に出かけたり、クラフトしたり、PvPに飛び込んだりするも良しと、多様なコンテンツを楽しめる。プレイテスト中には、人によって行動に幅があることが判明。「乾きの平原」のストーリー・モードをクリアするまでには、平均すると数時間かかっていたそうだが、同モードを集中的にプレイしていた人はその半分だったという。もちろん、クリア後にも多彩なサイドコンテンツをプレイ可能。それぞれの食指が動くままにゲームにアプローチできることは、周回プレイを含めて、従来のARPGよりも一層楽しめるものになっているだろうとしている。

プレイテストでは「乾きの平原」のヒートマップを作成。こうしたデータを集積し、デザインの方向性を決めるために役立てている。


本作のオープンワールドにおいては、クラフトやイベント、ワールドPvP、サイドクエストなど行動できる要素は数多く用意されているが、その中でも「野営地」は、もっとも人気を博す要素になるだろうとのこと。野営地は、初めは敵が支配下に置いており、その敵を一掃すると友好的なNPCや商人がいる拠点へと変化。ウェイポイントとしてテレポートできるようにもなる。また、野営地にはそれぞれの成り立ちに関するバックストーリーがあり、そうした物語の大半はビジュアルを通して語られるという。例として、呪いを受けて人々が塩の山に変えられてしまった村が挙げられており、その土地の住民を救うことで目に見えて世界が変化するというわけだ。野営地については、今後詳しく紹介するとのこと。

そのほか、本作ではプレイを通じてマウントを獲得でき、広大な世界を素早く移動可能。さらに、マウントのアイテムコンセプトによって、成長システムに新機軸が生まれたという。マウントには、鞍にトロフィーを付けるカスタマイズが可能となっており、これは特定のチャレンジをクリアすることで入手できるようだ。そして出会ったほかのプレイヤーからすると、そのトロフィーを目にすることで、この地域にはそうしたチャレンジが存在していると知ることができる。


交流の拠点となっている町では、ほかのプレイヤーに出会ことができる。ワールドイベントが発生している地域の町では、より大きなプレイヤーの集団とも出会えるはず。そうしたイベントでは、プレイヤー同士が連携することで有利に戦えるが、必ずしもパーティへの参加は必要ないそうだ。ソロであっても飛び入り参加でき、クリアすれば報酬を得られる。一方、パーティを組んで地獄の軍勢に立ち向かおうというプレイヤーに向けては、アクティビティ別や距離をもとにグループを見つけられる新たなツールが用意される。

マルチプレイへのこうしたシーレスなアプローチについてBlizzardは手応えを感じているそうで、これまでのテストでは『ディアブロ』的な感覚を損なうことなく、生き生きとしたダイナミックな世界になっているとコメント。なお、ダンジョンと主要な物語シーンについては、プレイヤーとそのパーティに限定されたプライベートなものとなり、その中でほかのプレイヤーに出会うことはない。


次にストーリーテリングについて。前作『ディアブロ III』では、キャラクター名とアイコンの表示されるUIペインに頼っていたが、本作『ディアブロ IV』においては、ツールで自動生成されるものと手動で演出されたカメラワークを組み合わせて「会話」の表現に取り組んでいるという。NPCとの簡単なやり取りの場合は、通底する俯瞰視点の感覚は維持しつつもカメラをキャラクターへ近づけ、会話の要旨を表現するためのアニメーションライブラリを導入。会話がより複雑な場合は、同様のカメラワークを採用しながら、意図したものに近づけるためキャラクターの挙動やアニメーションは人の手で作成しているそうだ。これによって、作品世界への没入感を最大限に保ったまま、複雑に入り組んだ物語シーンを表現できるようになったとしている。

物語を伝える手法としては、リアルタイム・カットシーンも導入される。カメラを手に持って撮影したかのような映画風のストーリーテリングを表現でき、またキャラクターの装備やグラフィック設定をそのまま反映させることもできる。ただし、こうしたカットシーンが見られるのは、物語の中でも特に重要シーンに限られるそうだ。


今回のプレイテストについて、開発の初期段階にも関わらず全体的に楽しくプレイできたと総括。特にクラスについては見通しは明るいとしている。また非常に有益だったことのひとつとしては、成長システムについて「恒久的」な印象を受けるという良好なフィードバックを得られたことが挙げられている。ある時点でおこなった装備やスキルの選択が、その後も大きく影響していたという。

なお、今回公開されたスクリーンショットについては、あくまで開発途中のものであり、製品版のクオリティを反映しているとは限らない点には留意したい。本作の開発においては、アイデアを簡単に試して繰り返し試作できるように、ビジュアルを粗削りのままにしておくこともあるそうだ。パーツ構成のみの「ブロックアウト」済みのアセットに変更を加えたり破棄してしまう方が、最終版アセットに手を加えるよりも断然コストがかからないからだそうだ。

次回のアップデートでは、コミュニティの間で活発に議論されているタレント・ツリーについて紹介する予定とのこと。そのほか、アイテムについては年内に内容の濃いアップデートを届けるとしている。なお、前回の四半期アップデートについてはこちらの記事を参照してほしい。

ディアブロ IV』は、PC/PS4/Xbox One向けに開発中(日本国内における対応機種は変更される場合があるとのこと)。発売時期は未定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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