女性ゲーム実況者に“ハマりすぎた”男、Twitchを訴える。毎日チェックし性依存症が悪化したため

アメリカ・カルフォルニア州に住む男性が、女性ゲーム実況者にのめりこみすぎたあまり被害にあっているとして、配信プラットフォームTwitchを訴えていることがわかった。

アメリカ・カルフォルニア州に住む男性が、女性ゲーム実況者にのめりこみすぎたあまり被害にあっているとして、配信プラットフォームTwitchを訴えていることがわかった。民事訴訟を起こし、27億円(2500万ドル)と特定の女性配信者のBANを求めている。その理由はというと、「Twitchが過剰に、女性配信者の性的コンテンツを視聴者に見せ続けている」からだという。Dexertoなどが報じている。

※ 今回のBAN対象のひとりとして標的になっている Amouranth 氏

訴えを起こしているのは、Erik Estavillo氏。同氏はうつ病やパニック障害など多岐にわたる病を抱えている。外に出る機会は通院などに限られている関係で、インターネットが唯一の楽しみであるとのこと。しかしTwitchと出会ってから病状は悪化していると主張。というのも、同氏は強迫性障害の影響で性依存症に悩まされているのだが、同プラットフォームにはあまりに性の誘惑が多く、症状が著しく悪化してしまったそうだ。

Twitchには数多くの女性配信者が活動している。ゲーム実況やそのほかの配信をおこなっており、中には露出に積極的なセクシー系ストリーマーも存在している。ゲーム実況をしながらも、薄着をしたり谷間を見せつつ、その美貌やパーソナリティでファンを獲得している。そうした中、配信者の性別によってフィルタリングできないことにより、Estavillo氏はついこうした女性配信者の実況ばかりを見てしまうと吐露。またTwitchにはストリーマーに“投げ銭”するシステムが導入されており、こうしたお金により配信者の気を引くことができるシステムも問題だと批判。配信者からお礼として投下される投げキスやASMR音声が中毒的で募金を促しているとし、カジノ要素もあるアダルトサイト「Chaturbate.com」と同じような手法であると問題視している。同氏が問題視している女性配信者の一例は以下の通りである:

Amouranth
Quqco
ST Peach
JadeTheJaguar
Pink_Sparkles
Valeria7K
DanielaAzuage_
lilchipmunk
iaaras2
theRaychul
KrystiPryde
SonjaShio
Gavrilka
MizzyRose
KayPikeFashion
Alinity
QTCinderella
Pokimane
Velvet_7
Loserfruit

人気女性配信者が並んでいる。弊誌でも取り上げたことのあるAlinity氏やAmouranth氏など、セクシー系ストリーマーがあげられている印象だ。一方で、Pokimane氏のような露出はそれほどしない毒舌アイドル的な配信者もまたEstavillo氏にとって“害がある”と判断されている(露出は少ないものの、訴状にはPokimane氏が誘惑的なポーズを取ったり、お尻を強調して見せている場面の写真が貼られている)。原告のEstavillo氏は、彼女ら全員の永久BANと、現金27億円を求めているわけだ。損害賠償金は、原告と他のTwitch Prime Turbo会員で分け、残った分は裁判所が選ぶCOVID-19およびBlack Lives Matterのチャリティーや基金に寄付するという。なおEstavillo氏はTwitchで786人をフォローしており、全員が女性配信者とのこと。フォロー数に上限がないことも、問題点としてあげられている。

これらの女性ゲーム実況者にハマった同氏は、実際にどれほど被害を受けたのだろうか。実のところ、その内容がかなり強烈なのである。たとえば、Estavillo氏は過去にオナホールを購入していたがその多くが未使用であった。しかしTwitchにハマりだしてから、それらのデバイスを用いて毎日慰めるようになり、炎症を起こすほか、軽度の感染症にかかり、軟膏で治療するハメになったという。またしばしば夜ふかしをし女性配信者の胸部を見つめるようになったことで、網膜にダメージを負ったと主張。充血し目薬をさすことが多くなり、両親にその理由を聞かれるという辱めを受けたとも語っている。またPCモニターに射精してしまったことにより、ゲーミング機材がショートしちょっとした火災が発生。アパートメントが一時的に停電する事態が発生したことも報告している。

訴状は冒頭のDexertoから確認できるが、過激な写真が多いので、公の場で見ることはおすすめしない。


と、かなりとんでもな訴訟を起こしているEstavillo氏であるが、彼が訴訟において注目を集めたのは今回が最初ではない。同氏は2000年代からネットゲーム漬けの生活をおくっており、『World of Warcraft』や『RESISTANCE〜人類没落の日〜』などさまざまなオンラインゲームにハマっては規約違反により処分され、これまでソニーや任天堂にマイクロソフト、Activision Blizzardなどを相手に訴訟を起こしてきた(Engadget)。そうした経緯により、一部界隈からは「Serial Killer(シリアルキラー)」をもじって「Serial Suer」と呼ばれている。

Estavillo氏は精神的な病だけでなく身体障害も患っているという。Twitch視聴が楽しみであるが、女性配信者が魅力的すぎるあまり性依存症が悪化しており、強迫性障害により見ることをやめられない。なかなか複雑かつ根深い問題である。セクシー系女性配信者は注目を集めやすくファンが生まれやすい反面、敵を作りやすい性質を持つが、それ以外にもこうした訴訟の標的になることもある。仮に裁判が進んだ場合、Estavillo氏の主張どおり彼女たちの振る舞いがTwitchの利用規約に反するかどうかが、論点のひとつになるだろう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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