パブリッシャーのTHQ Nordicは6月25日、アクションRPG『BIOMUTANT』の最新映像を公開した。また日本法人THQ Nordic Japanからは、本作の国内発売が決定したことも報告されている。
本作はTHQ Nordic傘下のデベロッパーExperiment 101が開発中。もともと2018年発売予定だったが延期され、その後しばらく続報が途絶えたことでファンからは発売が不安視される状況となっていたが、現在開発の最終段階にあることが今回明らかになった。クリエイティブ・ディレクターを務めるStefan Ljungqvist氏は同日、海外メディアIGNが主催するオンラインイベント「Summer of Gaming 2020」に出演。この中で本作の発売日について問われた同氏は、巨大な作品であり技術面あるいはアート面でさまざまな問題が発生していたとした上で、今は開発の最終段階としてバグを見つけては潰しているところだとコメントした。具体的な発売時期については明言を避けた。
『BIOMUTANT』は、文明崩壊後の世界を舞台に、小さなケモノのキャラクターとなって冒険するオープンワールド・アクションRPGだ。敵とのバトルでは、銃と剣、そしてカンフーを組み合わせたスタイリッシュなアクションを特徴とし、武器は入手した素材からクラフト可能。一方のカンフーは、この世界に暮らすさまざまなケモノ部族の長と出会うことで、新たなカンフースタイルを学ぶことができる。
今回のイベントでは、新たなゲームプレイ映像に合わせてLjungqvist氏の解説がおこなわれた。まずはキャラクターカスタマイズについて。これは以前にも紹介されていた要素ではあるが、映像ではさらに見た目のバリエーションが豊かになり、また服装も充実した印象を受ける。服装は特定の装備と結びついていることもあるという。
この世界には6つのケモノ部族が存在し、いわゆるDNAがそれぞれ異なる。プレイヤーキャラクターは、各DNAからひとつを選択した上で、カスタマイズを進めていくことになるそうだ。カスタマイズはステータスとリンクしており、俊敏さや屈強さなど能力のバランスを考慮しながら自らのキャラクターを作り上げるのだ。なお、冒険を進める中では任意のステータスをアップグレードさせることもできる。
武器のクラフトシステムについては、入手した素材を組み合わせる形となっており、そのバリエーションは万単位にのぼる。Ljungqvist氏は例として、巨大な歯ブラシにグリップをつけて近接武器にし、その上にさらに別の素材を組み合わせることも可能だと紹介している。素材にはレア度が設定されており、特別なアビリティが備わっているものも。また、武器以外の装備や服装もクラフトすることが可能。本作では、たとえば寒冷地や毒ガス地帯を訪れることもあるため、そうした場所に適応できる装備を作るためにも、ゲームプレイにおいて素材集めは非常に重要な要素となる。
本作の世界の中心には巨大な生命の樹があり、4つの方角へと根を伸ばしている。その根の先に存在する、世界を蝕むボスを倒すことが冒険の目的のひとつ。今回の映像では、初公開と思われるボスの姿も登場。そのひとつでは、潜水艦に乗って水中で戦う様子があり、こちらも今回初めて披露されたものだ。また、映像の冒頭では馬などの動物に乗る姿があり、ほかにも気球やグライダーあるいはジェットパックのようなものを使って空を飛ぶ場面も見られる。こうした移動手段の充実も、今回の新情報と言えるだろう。
本作を手がけるExperiment 101は、『ジャストコーズ』シリーズなどに携わった元スタッフが設立したスタジオで、2017年にTHQ Nordicに買収された。広大なオープンワールドに、複雑に連鎖し絡み合う要素を導入していることから、開発終盤にはバグなど数多くの問題に直面したという。しかしチームは小規模であることから、ここまで開発に時間がかかったそうだ。Stefan Ljungqvist氏は、ファンに待った甲斐があったと思ってもらえるよう、完成した作品にて証明したいと語る。
『BIOMUTANT』はPC/PS4/Xbox One向けに発売予定。発売時期については、冒頭にて触れたように未定となっているが、現在開発の最終段階にあるとのことなので、そう遠くない時期にリリースされることとなりそうだ。