シュルレアリズムゲーム『Hylics 2』Steam他でPC/Mac向けに配信開始。王道JRPGシステムでめぐるサイケなクレイアニメと手フェチの世界

インディーデベロッパーのMason Lindroth氏は6月23日、ターンベースRPG『Hylics 2』をリリースした。もっとも目を惹くのは、そのサイケデリックなビジュアルと、生々しく動くアニメーションの数々。

インディーデベロッパーのMason Lindroth氏は6月23日、ターンベースRPG『Hylics 2』をリリースした。PC/Mac向けにSteamおよびItch.ioにて配信中だ。現在10%のディスカウントを実施中で、6月30日まで1368円(13.50ドル)で入手することができる。本作は2015年に発表された前作『Hylics』の続編となっている。クラウドファンディングサイトGoFundMeでは、2018年のプロジェクト開始から6900ドル(約74万円)以上ものの寄付を集めており、このたび待望の発売となった。

『Hylics』シリーズでもっとも目を惹くのは、そのサイケデリックなビジュアルと、生々しく動くアニメーションの数々だ。特徴的なグラフィックは、数百以上ものクレイアニメーションモデルを3Dスキャンすることで制作されている。CGやドット絵とも異なる有機的な動きは、見る人によって温かくも不気味にも映るかもしれない。また詩的な台詞やナレーションが、さらに異質な雰囲気をもってプレイヤーの脳に語りかけてくる。

白眉なのは戦闘中に挿入される「手」のモーションだ。前作でもバトル中にキャラクターの手がカットインとして挿入されていたが、『Hylics 2』ではアニメーションが大幅に増量。波のジェスチャーを使って敵に波状攻撃を仕掛けるシーンや、回復アイテムのバナナをつまみ上げて皮を弄ぶ動きなどがスタイリッシュかつ滑らかに描かれている。黒いレザーの質感も相まって、かなりフェティッシュな出来栄えといえるだろう。

開発中の画面より、「コーヒー」を使うカットイン。

尖ったビジュアルが前面に押し出された本作だが、実はそのシステムは王道のJRPGをベースとしている。戦闘はターンベース制でおこなわれ、アイテムを集めたり、レベルを上げたり、パーティの仲間を集めたりといった堅実な要素でゲームが構成されているのだ。同時に、本作では新たな試みも多数用意されている模様。たとえばフィールド移動では主人公Wayneがローリングしたり、空中ダッシュしたりと、前作以上にアクティブに動くことで隠されたアイテムを見つけることができるようだ。またトレイラーを観るとWayneが2頭身のキャラクターとなり、横スクロールステージで敵の攻撃を避けながら進むステージが確認できる。さらに飛空挺のような乗り物に乗って移動する場面は、まるでフライトシミュレーターのような爽快さだ。これらのシーン全体を彩るダウナーな音楽はLindroth氏およびChuck Salamone氏の2名が手がけているという。

『Hylics 2』はPC/Mac向けにSteamおよびitch.ioにて配信中だ。現在10%のディスカウントを実施中で、6月30日まで1368円(13.50ドル)で入手することができる。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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