宇宙船解体シム『Hardspace: Shipbreaker』Steam早期アクセス配信開始。事故を回避しながら廃船を解体し、借金を返済

宇宙船解体シム『Hardspace: Shipbreaker』Steam早期アクセス配信開始。『Hardspace: Shipbreaker』では、事故を回避しながら廃船の解体作業を進め、借金を返済していく。

パブリッシャーのFocus Home Interactiveは6月16日、カナダのデベロッパーBlackbird Interactiveが開発する宇宙船解体シミュレーションゲーム『Hardspace: Shipbreaker』のSteam早期アクセス販売を開始した。通常価格は2980円。7月8日までのプロモーション期間中は20%オフの2384円で購入できる(日本語は非対応)。

Hardspace: Shipbreaker』は、宇宙船の解体工として廃船の解体作業をおこない、約10億クレジットという多額の借金を返済していく一人称視点のゲームだ。主人公は銀河系一の宇宙船サルベージ企業LYNXにて訓練を積んだ解体工であり、LYNXから請け負う解体業務をこなすことで、借金を返済していく。無重力空間での物理演算や破壊表現も見どころとなっている。

依頼内容には、廃船の状態や作業難易度、サルベージできる資源、作業日数が書かれているため、自らの作業能力と相談しながら引き受ける仕事を選択。LYNX社の最先端ツールを装備して現場に向かうのだ。船体を自由なアングルで切り刻むレーザーカッターや、主人公自身およびオブジェクトの移動に使うグラップリングツール、宇宙船の構造を可視化するスキャナーなどを駆使して船内外をナビゲート。作業手順や船内構造、各パーツの注意事項などを考慮しながら作業にあたる。

*IGNの「Summer of Gaming」イベント用に公開された開発者コメンタリー付きゲームプレイ

廃船といえど、手当たり次第に解体すればよいというわけでもない。船内には電力・燃料・冷却用のクーラントなどが残っており、取り扱いに注意せねば事故につながりかねない。船内で与圧すれば酸素タンクの消耗を抑えられるが、船体に穴が開けば猛スピードで宇宙に放り出される。減圧すれば酸素を消費するかわりに事故を起こしにくくなる。うまく切り替えながら手際よく作業を進めるのだ。上の動画では、宇宙船カテゴリーのひとつ「Gecko」を例に、解体作業の流れが説明されている。もっとも貴重なサルベージ品となるリアクターは、クーラントにより冷却されており、取り外してから時間が経過すると爆発する。そのため船外まで運ぶための安全なルートを確保してからの解体が望ましい。

リアクターのメルトダウンを防ぐクーラントは、ECU(環境制御ユニット)によって制御されている。ECUには動力発生装置もあり、そちらを外すと与圧処理やターミナルの操作ができなくなる。どのような作業が残っているのか考えた上で、解体タイミングを定める必要があるだろう。またリアクターは燃料パイプを通じてスラスターに接続しており、パイプ内に残留している燃料をスラスターに送り込んでから、解体作業を進めることが好ましい。すでに廃船の電力を切っていれば、手作業でパイプを切り離していくことに。パイプに手をあてて、燃料の流れを感じ取り、どの部分であれば安全に切断できるのか決めていく。スラスター用の燃料は加熱性が高いため、注意が必要だ。

サルベージ品が大きいと、船外に持ち出すのが大変。そこでレーザーカッターで船体を切り、接続部分を溶かし、搬出ルートを設ける。もしも酸素切れや爆発事故、物品誘導ミスによる衝突によって死んでしまっても、LYNX社のクローン技術があるので心配不要。ただし蘇生料金が加算されるため、借金返済は遠のく。無事に任務を完了すれば報酬が手に入り、ツールやスーツの購入・強化、酸素や作業用品の補充が可能に。そうして装備を整え、より高難度・高報酬の依頼に挑戦していく。

早期アクセス開始時点では、キャンペーンモードの第1章(15時間以上のゲームプレイ)、2種類の宇宙船カテゴリー(小型貨物船Mackerelsと大型貨物船Geckos)、3段階の難易度、複数のアップグレード可能なツール/スーツパーツ、自由に遊べるサンドボックスモード、そして999,999,999クレジットの借金が含まれている。早期アクセス期間は1年ほどを予定。近いうちには、アップデートにより各種解像度に対応したUIスケーリング、キャンペーンモードのリーダーボード、マウス/キーボードおよびコントローラーのリバインド(キーの割り当て変更)、操作キャラクターのボイスオプションなどの追加が計画されている。

正式リリース時には、40時間以上相当のキャンペーンモード、宇宙船・ハザード・ミッション・デイリーチャレンジの追加、サンドボックスモードの拡充、Modサポートを予定。コンテンツの拡充が見込まれる『Hardspace: Shipbreaker』は、Steamにて早期アクセス配信中だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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