インディーゲームを中心に「1400作品以上を最低5ドル」で購入できるバンドル、itch.ioで販売中。『Celeste』含む、前代未聞の期間限定チャリティー

インディーゲームを中心に「1400作品以上を最低5ドル」で購入できるチャリティーバンドルがitch.ioで販売中。『Celeste』や『Night in the Woods』含む、前代未聞の期間限定チャリティー企画だ。

現在インディーゲーム配信サイトitch.ioにて、期間限定バンドル「Bundle for Racial Justice and Equality」が販売中だ。同バンドルは、現在アメリカを中心に広がる反人種差別運動への支援を目的としたチャリティーバンドル。本稿執筆時点で1400タイトル以上のゲーム(すべてDRMフリー)がセットとなっている。最低5ドル(約500円)から購入可能で、収益はすべてNAACP法廷弁護基金および教育基金、そしてコミュニティの保釈金などに寄付される。販売期間は、日本時間の6月16日16時まで。

「Bundle for Racial Justice and Equality」は、今月6日よりitch.ioにて販売開始。同プラットフォームの主催により実施されたチャリティーバンドルの販売には、500名以上のクリエイターが参加。販売当初は全742作品、価格にして約3400ドル(約37万円)相当のゲームが含まれるバンドルとして売られていた。そして現在、参加クリエイターは1000人を超え、バンドルに含まれる作品数も増加。本稿執筆時点で1427タイトルがセットとなっている。これは価格にして約7900ドル(約85万円)相当となるようだ。最低5ドルからという販売方式を踏まえると「Bundle for Racial Justice and Equality」は、前例のない破格のバンドルとも言えるだろう。

収録タイトルについてはデジタル・アナログ(テーブルトークRPGなど)を問わず、あらゆるスタジオのあらゆるゲーム作品で構成されている。知名度の高いタイトルとしては、傑作2D山登りアクション『Celeste』や田舎町での生々しい物語を描く『Night in the Woods』、心温まる短編アドベンチャー『A Short Hike』などもバンドルに内包。いずれのタイトルもSteamやレビュー集積サイトMetacriticなどで多くの好評を獲得しており、ゲーマーであれば一度は触れておきたい作品群とも言えるだろう。そのほか一風変わった作品としては、1分以内にクリアを目指す『Minit』や群衆をテーマにした怪作『KIDS』などが。ストーリー重視の作品としては、サイバーパンク・アドベンチャーゲーム『2064: Read Only Memories』やRPGツクールで作られた傑作タイトル『OneShot』なども含まれている。

現時点で1400以上ものタイトルがバンドルに内包される「Bundle for Racial Justice and Equality」。もちろん前述した作品のほかにも、大量のゲームがセットとなっている。その数の多さからこれまで知らなかった、あるいはプレイしたことのなかった作品も多分に含まれていることだろう。前述した作品をまだプレイしていない方だけでなく、新たなゲームに出会いたい方にもオススメできるバンドル内容となっている。

なお冒頭にも述べたとおり、該当のバンドルは最低5ドルから購入可能だ。この金額はあくまで最低ラインとなっているため、それ以上の支払い金額については購入するユーザーが自由に決められる。また購入方法については、各種クレジットカード、またはPayPalでの支払いが対応。「Buy all for $5.00」のボタンをクリックすると、購入フォームが開く。ただしバンドルに含まれるすべてのゲームにおいて、Steamなどの他プラットフォームの外部キーは付与されない。itch.ioからの直接ダウンロード/プレイのみに対応している点には注意して頂きたい。

なお冒頭にも述べたとおり「Bundle for Racial Justice and Equality」は、反人種差別運動への支援を目的としたバンドルだ。itch.io上では現在、500万ドルの目標売上金額(寄付額)が設定されており、本稿執筆時点ではすでに約360万ドルもの売り上げを達成している。同プラットフォームの設立者Leaf Corcoran氏によると、今回のチャリティーバンドルの販売に際し、多くのゲーム開発者へ参加の是非を訪ねてみたところ、ほとんどのスタジオから快諾を得ることができたようだ(Polygon)。膨大な作品がバンドルに含まれているのは、その結果なのだろう。また巨額の売り上げについては、世界規模で高まる反人種差別運動に対する人々の理解・協力の意思が反映された部分も大いにあることだろう。
【UPDATE 2020/06/11 00:36】
目標売上金額・本稿執筆時点での売り上げ達成額を訂正。

反人種差別運動を巡る寄付については、Ubisoftやスクウェア・エニックスをはじめ、現在さまざまな企業が協力を表明している。そんな中、「Bundle for Racial Justice and Equality」は、圧倒的に破格なゲームバンドルという側面を持ちつつも、国内外を問わず比較的手軽に一個人が寄付に参加できるひとつの手段として有効に機能していると言えそうだ。販売開始からわずか4日で約360万ドルの売り上げを達成している現況を見る限り、目標額である500万ドルには近いうちに届くことだろう。なお、同バンドルへの参加スタジオ/開発者は現在も募っているとのこと。今後もバンドル内のゲームがさらに充実していく可能性は十分にありそうだ。

「Bundle for Racial Justice and Equality」は、現在itch.ioにて販売中。最低5ドルから購入可能で、販売期間は日本時間の6月16日16時までとなっている。

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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