タクティカルFPS『VALORANT(ヴァロラント)』において高Pingが発生していた問題が改善したようだ。『VALORANT』は6月2日に正式リリースされてから、Pingが異常に高くなる現象が報告されていた。現在はほとんどのプレイヤーにおいて低Pingでの安定を確認しているという。
『VALORANT』はRiot Gamesが開発するPC向けの基本プレイ無料のタクティカルFPSだ。基本ルールでは5対5の攻撃側と防衛側のチームに分かれて、13ラウンド先取の爆破ルールに挑む。攻撃側はスパイク(爆弾)を設置してそのまま解除されなければ勝利。防衛側はボムサイトを守り切るか、スパイクを解除すれば勝利。リスポーンはないため、相手チームを全滅させることでも勝利できる。プレイヤーは各国から集まった特殊能力を持つエージェントを使い、銃撃戦を軸に固有のスキルを組み合わせて戦うこととなる。
『VALORANT』は、競技性の高さを強調しているタイトルでもある。ゲームのルールやマップデザインまで公平性が意識されている。「戦場の霧」と呼ばれるウォールハック対策やサーバー権威型のゲーム構造、独自のチート検知システム「Vanguard」を採用してチート対策にも力をいれている。もちろんゲームサーバーとインフラストラクチャーも、快適かつ公平なゲームを実現する環境が用意されている。
ゲームサーバーについては、チックレート128Hzの専用サーバーを各国に設置。くわえて相手にラグが生じている場合も、サーバー側で自動的に128fpsにアップサンプリングして、なめらかな動きを作り出している。さらにRiot Gamesは2014年から、『League of Legends』でも使用されているプロバイダとのピアリング契約「Riot Direct」を開始している。低Pingの環境を実現するRiot Directによって、とくに「飛び出し有利」から発生する不公平な撃ち合いが緩和されるという。
散々述べたように競技性が強く意識されている『VALORANT』だが、日本では6月2日の正式リリース直後からゲームが180Pingを超える現象が報告されていた。Pingの値が大きいといわゆる「ラグい」状態になり、操作の入力や画面の情報が実際のゲームと大きくずれてしまう。サーバーとのデータのやり取りにかかる往復時間がPingの大きさに対応しており、例えば180Pingなら1000分の180秒(0.18秒)かかっていることになる。Riot Gamesも一部プロバイダからゲームサーバーへの接続時に問題があると確認。一時的な対処として、PCからIPv6接続設定をオフにすると低Pingでプレイできる可能性があると説明を行っていた。
問題解決にかかる日数は未定とされていたが、Riot Gamesは前述の説明から約40時間後の6月4日12時、異常な高Pingが発生する問題が解決したと『VALORANT』公式Twitterアカウントにて投稿した。現在は各プロバイダとの協業の結果、ほとんどのプレイヤーにおいて低Pingでの安定を確認しているとのことだ。投稿にはその他の要素についても調査・確認をしているとあり、ゲーム開始直後のエラーなども現在対応中のようだ。インフラの強固さも売りの1つである『VALORANT』、問題が発生してからの迅速な対応からも今後のサービスへの意気込みがうかがえそうだ。