『FIFA 20』の「FIFA ULTIMATE TEAM」にてTOTS(シーズン最優秀チーム)イベントが開始された。その中で、良くも悪くも脚光を浴びている選手がいる。ウィサム・ベン・イェデル(以下、ベン・イェデル)だ。このモナコ所属のフランス人は今ホットな選手のひとり。本人もゲーム内で注目を集めていることを認識しているようで、「一体いくつのコントローラーを壊したのかな」と絵文字を添えた投稿をし、笑いを誘っている。
ベン・イェデルは、チュニジア系フランス人。UJA マッカビ パリにてキャリアをスタートさせ、トゥールーズFC やセビージャFCにてキャリアを積み、2019年にASモナコに移籍。1990年生まれと若手ではないが、着実にキャリアを積んだモナコで9番を背負うエースである。2019-2020シーズンは26試合に出場。18得点を記録し、パリ・サンジェルマンのムバッペと並び得点王に輝いている。その活躍が認められ、TOTSにて優秀選手のひとりとして選出。同イベントでは大きく能力が引き上げられている。
その能力はというと、Overall 97。リーグ1選手としては、ムバッベとネイマールに次ぐ数字である。そしてその能力の内訳が凄まじい。加速99にトップスピード93。敏捷性とバランスが99で、ドリブル98。ポジショニングと決定力は99。ボールを持つとすぐさま加速し、ディフェンスをぶっちぎり、ゴールを決めるストライカーとして十分な性能を有している。もともとアジリティが高く両足が使えた小柄なフォワードは、大化けしたわけだ。
すばしっこく驚異的な能力を持つベン・イェデルに泣かされるプレイヤーは数多く、「コントローラー壊した」「アイツとは対峙したくない」と言わしめている。もともと俊足プレイヤーは煙たがられがちであるが、今のベン・イェデルは通常能力(Overall 84)に比べてインフレした能力を持っている。普段は地味めな選手であるが、TOTSではメッシやムバッペに肩を並べており、そんな彼にやられることにこたえるプレイヤーが多いのかもしれない。
※「(ベン・イェデルの)カードと対戦するぐらいなら、金玉をガラスの上でひきずったほうがマシだ!」という苛烈なジョークが、その嫌われ具合を語っている。
そうした嫌われ具合を見た本人が、TOTSに選ばれたツイートを引用しながら、「(このカードで)一体いくつのコントローラーを壊したのかな」とジョークを飛ばしているわけだ。挑発しているわけではなく、むしろ自虐じみた煽りだろう。本人も「能力97」を楽しんでいるようで、『FIFA 20』をプレイしゴールを決めて喜ぶ姿を撮影している。
新型コロナウイルス感染拡大により欧州リーグは一時休止を強いられている。ブンデスリーガやリーガエスパニョーラなど再開を試みるリーグもあれば、リーグ1のようにシーズンが打ち切りになった国もある。各クラブが経済的な打撃を受けており、多くの選手にとって2019-2020年は苦しいシーズンになりつつあるが、ベン・イェデルは少なくとも2020年のシーズンとTOTSイベントを満喫していることだろう。