『Apex Legends』でもっとも人気のあるレジェンドは一体誰か。競技シーンのデータから見る各レジェンドの使用率


サービス開始から早1年以上が経過した『Apex Legends』。これまでシーズンが更新されるごとに新レジェンドの参戦やマップ改変が実施されてきた。そして、先月13日にはシーズン5が開始。ローバの登場やキングスキャニオンの崩壊によって、試合環境にまた新たな変化がもたらされた。そんななか、昨今もっとも使用率の高い、あるいは低いレジェンドは一体誰なのか。その答えについて、スタッツ管理プラットフォームDreamTeam.ggが詳細なデータを公表している。

本題に入る前に、まずDreamTeam.ggについて説明しておこう。同サイトは、世界最大のeスポーツ組織Na’viの創立者であるOleksandr Kokhanovskyi (アレクサンダー コハノスキ)氏によって設立された、アマチュアおよびプロチーム向けのゲームデータ管理プラットフォーム。ここでは現在『Apex Legends』『Fortnite』『CoD:MW』など、主に競技シーンが盛んなゲームタイトルのデータが取り扱われており、プレイヤーは登録をおこなうことで自身のゲーム内スタッツや、他の登録者などから蓄積された各種グローバルデータを確認することができる。今回触れていく『Apex Legends』における各レジェンドの使用率も、該当のプラットフォームを参照したもの。そのため、公式によるデータではない。その点には注意して頂きたい。

DreamTeam.ggのトップページ。現在『Apex Legends』『Fortnite』『CoD:MW』『LoL』『CS:GO』の5作品がスタッツ管理の対象タイトルとなっている。


それではDreamTeam.ggが公表する、『Apex Legends』における各レジェンドの使用率について見ていこう。今回のデータについて、集計の対象となるレジェンドは全12名。シーズン4にてあえなく暗殺されたフォージはもちろん、シーズン5にて登場したローバも今回含まれていない。また使用率については、PC/PS4/Xbox One全プラットフォームの平均で算出されている。各レジェンドの使用されている割合は以下のとおりだ。

レイス:26.57%
パスファインダー:9.88%
ライフライン:8.77%
コースティック:7.74%
ブラッドハウンド:7.57%
ミラージュ:7.56%
バンガロール:7.27%
オクタン:6.84%
ワットソン:5.01%
ジブラルタル:4.40%
レヴナント:4.29%
クリプト:3.29%

*2月24日から5月25日(過去14週間)のプレイヤーデータベースから算出

以上が各レジェンドの使用率だ。割合が高い順に並べている。なかでも圧倒的な存在感を放っているのは、やはりレイスだろう。26%と、2位のパスファインダーから16%以上の差をつけ、使用率はぶっちぎりのトップ。他のレジェンドと比較して、かなり頻繫に使われていることが分かる。パスファインダーに次ぐのは、自身や味方のケアに特化したライフライン。以降、4位のコースティックから7位のバンガロールまで使用率は7%台をキープしている。しかし、9位のワットソンからガクッと使用率が落ちている印象だ。そして最下位は現在、ドローン使いのクリプトとなっている。


前述のデータを見る限り、全体的にサービス開始時から実装されていた既存レジェンドに人気が集まっている様子だ。一方でシーズン更新時に追加された、新規レジェンドの使用率は軒並み低め。こうした結果には、レジェンドごとに付与される固有アビリティの特徴の違いが大いに関係していることだろう。たとえば使用率1位を飾るレイスは、ポータルや空間転移を用いた素早い動きが特徴的。これらの能力は窮地からの脱出、また敵への奇襲にも有用であり、総じてレイスは前線に出ることに秀でたレジェンドと言える。一方、使用率最下位のクリプトは、ドローンによる索敵能力を持つ。撃ち合いではなく、あくまで敵の発見やバナーの回収などのサポートに重きが置かれた性能となっているわけだ。

前述した点を踏まえると、レイスは攻撃的、クリプトは味方の援護に特化したレジェンドとして、2人は対称的な存在だと言えるだろう。そしてこうした特徴の違いこそが、使用率全体の順位を決定づけていると思われる。今回のランキングをもう一度見てみよう。1位がレイスであり、次点でパスファインダー、ライフラインと続く。これらのレジェンドたちはいずれも、戦闘において直接的に役立つ能力を兼ね備えている。パスファインダーは、グラップリングフックを用いた素早い立ち回り。ライフラインは、体力の回復を迅速かつ柔軟におこなえる。つまり、基本的に複数人で戦う『Apex Legends』において、単独でも継戦能力のあるレジェンドたちの使用率が高い傾向にあるというわけだ。


一方で、使用率の順位が下がるにつれ、ワットソンやジブラルタル、レヴナントなど、味方を攻撃や死から守ることに長けたレジェンドたちが連なる点も興味深い。総じて今回のデータからは、攻撃的なキャラクターが比較的好まれ、サポート系キャラは選ばれづらいという結果がうかがえることだろう。しかし冒頭にも述べたように、今回のデータは公式のものではなく、あくまでアマチュアやプロチーム向けのプラットフォームにて算出された使用率。つまり、エイム力やキャラクターコントロールなど、一般のプレイヤーと比べてプレイスキルの高いプレイヤーのデータが多く集積されていると思われる。単体でも敵のダウン/キルが狙いやすいレジェンドの使用率が高い背景には、この点も大きく絡んでいそうだ。また『Apex Legends』においては味方とのバランス面も重要となるため、単純に使用率の高いレジェンドが強く、低いレジェンドが弱いというわけでは決してないという点に関しても強く念を押しておきたい。

ともあれレイスの人気具合は、他の全レジェンドと比べても圧倒的。継戦能力の高いレジェンドは複数存在するが、なかでも空間転移の発動による無敵化、そしてポータル設置による柔軟な立ち回りを可能とするレイスは、敵との戦闘を好むプレイヤーの腕を引いて離さないのだろう。ちなみにレイスについては、その戦闘面での強力さゆえか、これまで5回にもわたりアビリティや性能の弱体化が図られてきた。特に今年4月に実施された小柄属性の仕様変更(手足へのダメージ値が胴体へのダメージ値と同じになる)は多くのプレイヤーにとって痛手だったのか、DreamTeam.ggが公表する週別のレイス使用率を見ると、アプデ実施前の4月6日をピークに5月はじめまで緩やかなに減少を辿っている(PC版)。ただし5月中旬から末にかけて、使用率は回復傾向に。レイスのみならず、使用率については、アップデートの内容によっても大きく変動するのだろう。

小柄属性の弱体化実施後である4月6日から5月4日にかけて使用率が減少している。なお画像はPC版のグラフ。


なお本稿では触れなかったが、DreamTeam.ggでは各レジェンドの使用率のほか、1マッチにおける与ダメージ値やキル数の平均などを確認することができる。自分のお気に入りのレジェンドが競技シーンではどれだけの実績を残しているのか、気になる方はこちらのページを確認しておこう。ただし、いずれのデータも過去14週間のものであるという点は留意されたい。今後ローバのデータの追加や『Apex Legends』内でアップデートが実施されることにより、使用率が大きく変動する可能性は十分にあり得るだろう。果たして、この先もレイスの圧倒的な人気は続くのか。各レジェンドの動向にも注目していきたい。