スクエニHD、新会社「スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミー」の設立を発表。CTOに三宅陽一郎氏を据え、AI技術の研究開発・事業促進を目指す
スクウェア・エニックス・ホールディングスは5月28日、新会社「スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミー」の設立を発表した。同社は、グループが培ってきたAI技術に関する知識やノウハウを、ゲーム分野だけでなく、エンタテインメント全般の領域で活用できるよう、研究開発・事業推進することを目的に設立するという。
同社グループは、「最高の“物語”を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」という企業理念のもと、デジタルエンタテインメント、出版、アミューズメント、そしてライツプロパティなどの事業を推進している。グループ内の技術の中でも、ゲームで使用される人工知能やCGなどのアートに関する技術は、グループの事業領域を超え、さまざまなエンタテインメント領域において貢献が可能であると述べている。
そして、今後5Gを含む次世代の通信規格やXRなどの技術革新が行われていく中で、新たなエンタテインメントの創出を見据え、蓄積された技術や知識を、ゲームだけにとどまらず、さまざまな分野で活用できる「エンタテインメントAI」として研究開発を推進。他のエンタテインメント企業との連携も視野に入れた、新たな事業分野を創出するとしている。
同社のCTO取締役には、三宅陽一郎氏が就任。ゲーム開発者であり、2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。「ゲーム情報学概論」「人工知能のための哲学塾」「ゲームAI技術入門」などの著者である。またCOOには、ロボット工学・機械学習・自然言語処理にも携わったRemi Driancourt氏、CAOには3DCG映画「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」のディレクターを務め『ファイナルファンタジー』シリーズのCGを支えてきた野末武志氏と、長年AI技術に携わってきた面々が就任している。
現時点では、新会社が取り組むプロジェクトなどの情報は公開されていない。しばらくは、今後の同社の発表を待つことになりそうだ。