「動物をなでられるゲーム」は、ついに米任天堂に特集されるカテゴリーとなった。可愛いだけでなく、販促としても重要要素に

米国任天堂は5月26日、「Games with Pettable Companions」と題したゲームニュースを配信した。翻訳すると「可愛がる(撫でる)ことのできるコンパニオンキャラクターがいるゲーム」。同テーマにて9本のゲームを紹介している。

Nintendo Switch本体のHOMEメニューからアクセスできる「ゲームニュース」。ここでは、プレイ済みまたは任意に登録したゲームの最新情報を閲覧できる。また、任天堂からは特定のテーマに沿ったゲームを特集した紹介記事が届けられることも。たとえば特定のジャンルをテーマにしたタイトルや、運動ができるゲーム、あるいは体験版が配信中のゲームなど。そうした中、このたび一風変わった、しかしどこか見覚えのあるテーマの特集が登場した。

米国任天堂は5月26日、「Games with Pettable Companions」と題したゲームニュースを配信した。翻訳すると「可愛がる(撫でる)ことのできるコンパニオンキャラクターがいるゲーム」だろうか。同社は、「彼らはデジタルかもしれないけれど、ゲーム内の動物を可愛がりたい人もいるよね!」とコメントし、そうした4本足の動物がいるゲームを9本紹介している。


紹介されているのは、『ルイージマンション3』『アストラルチェイン』『Ara Fell: Enhanced Edition』『UNDERTALE』『Sparklite』『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』『バリアント ハート ザ グレイト ウォー』『Kentucky Route Zero: TV Edition』および国内未発売の『Overland』である。この特集記事では各タイトルのゲーム概要に加え、プレイヤーがゲーム内で可愛がることのできるキャラクターの紹介がおこなわれている。

たとえば『ルイージマンション3』であれば「オバ犬」を、『アストラルチェイン』では「ビースト・レギオン」を撫でることができ、『UNDERTALE』でも「レッサードッグ」を“ナデナデ”できる。基本的に犬(あるいは犬型)のキャラクターばかりとなっているが、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』では犬以外にも撫でられる動物が登場する。

https://twitter.com/canyoupetthedog/status/1184920852191686658

米国任天堂はゲームニュースにて、毎回趣向を凝らしたテーマを用いてゲームを紹介しているが、「撫でることができるキャラクターがいるゲーム」というのはその中でもかなり異色。一見唐突な印象を受けるが、ゲーマーに人気のTwitterアカウント「@CanYouPetTheDog」に触発されてこうしたテーマを組んだものと受け止められる。同アカウントは、ゲーム内に犬のキャラクターが登場する場合、その犬と触れ合うことができるかどうかを判定し、動画と共に日々投稿。ニッチなテーマと思いきや、現時点で40万人以上のフォロワーを持つ人気アカウントとなっている(関連記事)。

同アカウントの出現以来、心なしか撫でることのできる動物が登場するゲームが増え、前出の『Sparklite』や『Enter the Gungeon』『テラリア』などでは撫でられる機能を追加するアップデートをおこなうほど。任天堂自身も、撫でられる犬がいるNintendo Switchタイトルをツイートするようになり、同アカウントの人気の高まりと相まって、「動物を可愛がることができる」という要素は一部ゲーマーへのちょっとしたアピールポイントへと急成長していったのだ。観点を変えると、こうした要素を入れれば任天堂公式で特集されるほど、販促として威力があるということ。公式で特集されることは、マーケティングとして極めて重要。ちょっとした可愛さがあるだけでなく、ゲームを売るためにも重要なポイントになるということだ。米任天堂が第二弾をするかは不明であるが、ほかの場所でも特集される機会は出てきそうだ。

Nintendo Switchのゲームニュースでは、いちTwitterアカウントよりも幅広いゲーマーが目にすることになるであろうため、触れ合うことのできる動物がいるという、ゲームの意外な魅力に気づく人がこれから現れるかもしれない。国内向けにもぜひ配信してほしいところである。ちなみに「@CanYouPetTheDog」の人気に火がついてからは、「猫と触れ合える」「魚を釣れる」「ハゲになれる」「ジュネーブ諸条約に違反できる」などのゲームを紹介する派生アカウントも登場している。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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