『The Last of Us Part II』公式がTwitterの新機能を早速活用。“嫌がらせ防止”として機能


Twitter社は5月22日、同社のプラットフォームTwitterにおける新機能を公開。一部ユーザーを対象にテストを開始した。同機能は、ツイートに反応できるユーザーを制限できるというもの。ユーザーがツイートをする前に、「すべてのアカウント」「フォローしているアカウント」「指定したアカウント」の3種類から、返信可能なアカウントの種類を指定することができる。これまでのTwitterにおいてはいわゆる鍵アカと呼ばれる非公開運用をしない限り、さまざまなユーザーが自由にツイートに対して反応や返信ができる。それを制限してしまう、という機能である。形式としては、YouTubeのコメント欄非表示に近い。

Twitterは世界最大規模のプラットフォームとして成長を続けており、非常に多くのユーザーが活動している。ひとつひとつの発信の効果が大きくなりつつある一方で、それらの投稿に対して罵ったり悪態をついたり、嫌がらせをするユーザーも少なくない。Naughty Dogもそうしたリプライ被害を受けていた企業のひとつだ。『The Last of Us Part II』の発売を控えるNaughty Dogであるが、5月頭に何者かが開発中の『The Last of Us Part II』の未公開ムービーをネット上に公開し、そこからTwitterでの嫌がらせが横行していた。

SIEおよびNaughty Dogが、すぐに未公開動画の公開を差し止めたものの、映像は終盤の展開を推測できるようなものであるとし、その内容をめぐる騒動が起きた。こうした騒動を面白がる愉快犯たちは、流出した映像をキャプチャーしたり、もしくはそれらをパロディした画像を、Naughty Dogのツイートにリプライ。公式ツイートを開くことでそうしたリプライが見える仕組みによって、未公開映像のネタバレ(らしきもの)を多くのユーザーに拡散する嫌がらせとなっていた。Naughty Dogは、指定のツイートを隠す機能を利用し、手動で嫌がらせツイートを非表示リストに入れていた。しかしその作業自体気が滅入るものがあるし、嫌がらせユーザーがフィルタリングを進めるNaughty Dogの反応を喜ぶ可能性もある。最適とはいえない対応であった。

嫌がらせ投稿の一例。画像にはモザイク処理を入れている。


そんななか、Naughty Dogは早速Twitterの新しい機能を活用。5月22日の投稿では、発売日の情報と共に『The Last of Us Part II』のスクリーンショットを公開。このツイートに対してはリプライをつけることはできない。メンションをすることこそ可能であるが、ツイートを開いても他ユーザーはリプライによって嫌がらせの情報を得ることがなくなった。

※ この投稿にはリプライできない

企業のツイートへのリプライは、Twitterを賑やかに彩る要素ではある。リプライを介して大喜利が展開されることもあるし、リプライが多いツイートには盛り上がりを感じるだろう。一方で、嫌がらせの場所として機能する側面も存在する。Naughty Dogは決して同社への批判をシャットアウトしているわけではなく、新機能活用前の手動フィルタリング時にも、ディレクターであるNeil Druckmann氏を誹謗中傷するようなリプライは、非公開リストには追加していない。あくまで対象はネタバレのみだ。それほどリーク映像を用いた嫌がらせに参っているのだろう。そうした意味では、今回の新機能は今のNaughty Dogにマッチしている。YouTubeのコメント欄と同様に、企業側がリプライ欄の設置の有無を選択できるようになれば、企業だけでなくさまざまなユーザーが、気分を害する機会が減るかもしれない。

『The Last of Us Part II』は、6月19日発売予定。今週に入りストーリーやゲームプレイを開発者が紹介するトレイラーが続々と公開中。解説映像を見ながら、モチベーションを高めておこう。