『あつまれ どうぶつの森』更新データVer. 1.2.1配信開始。アイテム増殖バグや壁抜けバグなど、“こっそり”さまざまな部分が修正される

任天堂は5月22日、『あつまれ どうぶつの森』にて更新データVer. 1.2.1の配信を開始した。更新内容については、「いくつかの不具合を修正しました」とだけ記述されているが、実はいろいろな部分が変更されているようだ。

任天堂は5月22日、『あつまれ どうぶつの森』にて更新データVer. 1.2.1の配信を開始した。更新内容については、「いくつかの不具合を修正しました」とだけ記述されている。具体的な内容は明らかにされていないが、本アップデートにて新たに判明していたアイテム増殖バグが修正されたようだ。

本作におけるアイテム増殖バグについてはまず、発売後早期に判明し、3月26日の更新データVer. 1.1.1にて修正されたバグが存在した。具体的なバグの再現方法は、同じ島に2人のプレイヤーが集まり、島内にテーブルを設置。そして、1人のプレイヤーが設置したテーブルを回すタイミングで、もう1人のプレイヤーがタイミングよくテーブル上のアイテムを回収するというものだ。すると、アイテムを回収するモーションをしながらも、テーブル上にはアイテムが残っているという奇妙な現象が発生する。実際に回収したプレイヤーのポケットにアイテムが入っているが、テーブル上のアイテムも残ったままになる。結果として回収アイテムとフィールド上のアイテムの2つが存在することとなり、アイテムが複製されるという内容だった。

このバグはテーブルを回している間、次々にアイテムを回収することができ、短時間でアイテムを増殖させることが可能だったようだ。ゆえに、ベルを効率良く稼ぐ手段として一部ユーザーが利用していたため、ゲームバランスを著しく崩すものとして任天堂は迅速に対応を施した。


そして今回新たに判明していたアイテム増殖バグは、レイアウトモード時のテーブル周りの処理によって発生していたもの。修正前明るみに出ていた手順の一例をもとに、弊誌にて実際に検証してみたので具体的に伝えていく。まずは再現場所となるプレイヤー自身の家に入り、いずれかの部屋にテーブルを設置する。設置場所は周囲のスペースが空いた中央付近が望ましい。次に、設置したテーブルの隣接する位置に2×1のテーブルを配置。続いて、配置した2×1のテーブル上に2×1のアイテムを置く。これで条件が整った。

その後、該当の部屋でレイアウトモードに移行する。レイアウトモードでLボタンを押下後、アイテムが乗った状態のテーブルを“テーブルごと”つかむ。そして、設置済みの別テーブルの上にカーソルを合わせる。同じスペースに家具が重なるため、カーソルは設置不可を示す赤色の枠が表示されるが、そのままつかんでいるテーブルをはなす。すると、設置可能なスペースまでテーブルがずれて配置される。その後同様に、テーブルごとつかむ、別テーブルの上にカーソルを合わせる、つかんだテーブルをはなす手順を数回繰り返す。

手順を繰り返した後に部屋を退室。そして部屋に再入室すると、2×1のテーブル上に配置したアイテムとは別に、同じアイテムが空中に浮かびあがっている。空中に浮かび上がったアイテムは、レイアウトモードに移行することで回収できる。回収後もテーブル上のアイテムは残ったままだ。結果として回収したアイテムとテーブル上のアイテムの2つが存在することとなり、アイテムが複製された形となった。


今回の増殖バグは、前回のものから条件や手順が複雑化したうえ、再現場所も限られるもの。一見すると、ベルを稼ぐ手段としては非効率にもみえるだろう。しかしながら、このシステムの穴を利用・応用し、効率よくベルを稼ぐ手段を見出すプレイヤーもいたようだ。再現場所にはできるだけ広い部屋を構え、部屋に配置するテーブルは1×1のダンボールなど省スペースのものをチョイスして8個設置。そして2×1のテーブル上に乗せるアイテムは「サメのもけい」など売却額の高い家具を選択。あとは2×1のテーブルをレイアウトモードで配置しつづけるだけで、ものの数分で60万ベル以上の大金を生み出すアイテムを複製することができていたようだ。

本件については、家具は重ねて配置できないというルールが念頭にあるため、通常のプレイングでは発見に至りにくいもの。明るみにでた経緯は定かではないが、5月8日頃からYouTube などで手順を解説する動画が散見され始めたようだ。任天堂はそれらの影響をみて、今回のアップデートで迅速に対応する形となったのかもしれない。ちなみに、現在バグに関連する動画は、任天堂の申立によって削除されている。


なお増殖バグに加えて、壁抜けバグの方も修正されている模様。壁抜けバグとは、他プレイヤーが自分の島に来る/もしくは帰る際に、長椅子の上でテーブルをつかんでいると、隣接するオブジェクトを抜けることができ、海や建物の“壁”を抜けられるというものだった (関連記事) 。実際に検証してみたが、フレンドが島に来る/帰る際にテーブルをつかんでいると、座っているイスにのめりこむように立つ現象は再現できるが、そのまま隣接したものに侵入するということができなくなった。壁抜けはさまざまな方法があるようだが、ともかくつかみを利用した壁抜けは修正されたようだ。

本作では発売以降、島の空き地が埋まらない、イースターイベントの風船が飛んでこないなどの不具合が散見されている。しかしながら明るみに出た不具合、特にアイテム増殖や預金金利によるベル稼ぎなど、本件を含むゲームバランスを著しく崩すものについては迅速な対応がなされている。そのほかにも、多くのプレイヤーに広がる前に細かな不具合が修正されているようだ。

たとえば、フータが博物館に寄贈した化石について解説する文言も密かに修正されている。アンモナイトにおいては、「アンモナイトは巻貝の仲間」という文言を「巻貝ではなくイカやタコの仲間」と訂正。またフタバサウルスにおいては、「考古学の世界」という文言を「古生物学の世界」に置き換えている。このような誤った表現や不具合に対する真摯な対応は、少なからずユーザーに評価されているようだ。一方で、今回の「いくつかの不具合を修正しました」という抽象的な修正内容の記述については、もっと具体的に明かしてほしいとの声も挙がっている。

今後も長期的なアップデートによって新たなコンテンツが組み込まれていく中で、発見に至っていないものや新たな不具合が明るみに出る可能性もある。しかしながら、そういった不具合についても発売から現在に至るまでのように、更新データによる迅速な対応がなされていくことだろう。

Tetsuya Yoshimoto
Tetsuya Yoshimoto

ニュース担当。国内を中心に日々トレンドを探求しています。新しいものや可愛いものが好き。

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